急死のザハ・ハディド氏デザインのマカオの新カジノホテル、工事継続=2018年開業予定

東京・新国立競技場の当初案をデザインしたことで日本でも知名度が高い女性建築家、ザハ・ハディド氏が3月31日に米国で急死したニュースは記憶に新しい。死因は心臓発作、65歳だった。

ザハ氏はイラク・バグダッド出身。1980年、英国・ロンドンに建築設計事務所、ザハ・ハディッド・アーキテクツを設立。その作風から建築界では「曲線の女王」などと称され、世界各地で数々の受賞経験を持つ。

実は、マカオにもザハ氏がデザインを手がけ、現在進行形で建設工事が行われている建物が存在する。コタイ地区にあるカジノIR(統合型リゾート)シティ・オブ・ドリームズ マカオの5番目のホテル棟だ。2014年3月に発表された計画概要によると、40階建て、総フロア面積15万平米、客室数780室、飲食、スパ、カジノ、イベント会場などを併設する5つ星ホテルで、開業予定は2018年とのこと。

ザハ・ハディド氏(左)とメルコ・クラウン・エンターテインメントのローレンス・ホー共同会長兼CEO(右)=2014年3月(写真:Melco Crown Entertainment Limited)

ザハ・ハディド氏(左)とメルコ・クラウン・エンターテインメントのローレンス・ホー共同会長兼CEO(右)=2014年3月(写真:Melco Crown Entertainment Limited)

ザハ氏の急死が同プロジェクトに与える影響が気がかりだ。

マカオの日刊英字経済紙マカオビジネスデイリーが4月3日付電子版で報じた記事によれば、シティ・オブ・ドリームズ マカオの運営会社、メルコ・クラウン・エンターテインメントの広報担当者は同紙の取材に対し「我々はザハ氏の急死の報を受け深い悲しみに包まれるとともに、ザハ氏のご家族、ザハ・ハディッド・アーキテクツのスタッフに対して心からのお悔やみを申し上げます」とした上、「すでにデザインは完成しており、今後もザハ・ハディッド・アーキテクツをはじめ、その他のプロフェッショナル、ゼネコンなどと密に連携しながらザハ氏が遺した偉大な仕事を継続し、マカオのアイコン的存在となるような新ホテルを計画に沿って作り上げていく」とコメントしたとのこと。

ザハ・ハディド氏がデザインを手がけたマカオのIR、シティ・オブ・ドリームズ マカオの新ホテル棟完成予想イメージ(写真:Melco Crown Entertainment Limited)

ザハ・ハディド氏がデザインを手がけたマカオのIR、シティ・オブ・ドリームズ マカオの新ホテル棟完成予想イメージ(写真:Melco Crown Entertainment Limited)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ・コタイ地区にある統合型リゾート(IR)グランドリスボアパレス(上葡京)で4月22日、世界…
  2.  マカオの統合型リゾート(IR)運営企業SJMリゾーツ社は4月22日、マカオ特別行政区の成立25周…
  3.  マカオ政府統計センサス局(DSEC)は4月22日、今年(2024年)3月及び1〜3月累計の訪マカ…
  4.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…
  5.  マカオ治安警察局は4月21日、自動車の運転者と歩行者の安全を確保するため、マカオ域内の各所でキッ…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  2.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…

注目記事

  1.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年4月号
(vol.130)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun