マカオのカジノ、ライブマルチゲーミングシステムの普及進む=18施設に3700台超

近年、マカオのカジノで急速に普及が進んでいるのがマルチライブゲーミング(LMG)システムと呼ばれる多元生中継型ベッティングシステムだ。

例えば、マカオで最もメジャーなバカラのゲーミングテーブルの座席数は6〜8人分で、ギャンブラーは目の前で進行するゲームに集中するのが一般的だ。これに対し、LMGシステムは複数のゲーミングテーブルのライブ映像をギャンブラーの手元の端末に配信し、ギャンブラーはタッチパネルで各テーブルの映像に切り替えながら、同時に複数のゲームに同時ベットすることができる。

マカオの場合、カジノ監理当局によりカジノ施設ごとに設置可能なゲーミングテーブルの台数が制限されていること、ディーラーの人材不足などを背景に運営会社が効率化を図る必要があったことで、LMGシステムの開発、普及が進んだとされる。LMG端末は米国ラスベガスの一部カジノ施設に導入されているが、マカオ以外のカジノ都市で見かけることは少ない。

LMGシステムのトップメーカーとして知られるのが、マカオでカジノ運営及びLTゲームのブランド名でゲーミング(カジノ)機器製造を手がけるパラダイス・エンターテインメント社だ。同社はLMGシステムに関する多数の技術特許を押さえているとされる。

パラダイス・エンターテイメント社が10月13日に発表したプレスリリースによると、同社のLMGシステムはマカオの18のカジノ施設に導入されており、端末台数は3700台を超えるという。なお、マカオのカジノ施設数(スロット専門を除く)は30であることから、すでに半分以上の施設に普及していることになる。

LTゲームのライブマルチゲーミング(LMG)システム(資料)—本紙撮影

LTゲームのライブマルチゲーミング(LMG)システム(資料)—本紙撮影

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