マカオ、浸水の密航船から緊急通報…無事救助も全員御用

周囲を海と川に囲まれたマカオでは、中国本土からの船を使った密航事件がしばしば発生している。

澳門海關(マカオ税関)が3月29日に発出したプレスリリースによれば、同月28日午前7時頃、木製の密航船に乗っているという人物から「船が浸水した」とする緊急通報を受けたマカオ消防局から税関に一報が入ったという。税関の巡視船が捜索を開始したところ、マカオ半島北東沖の埋立地、港珠澳大橋口岸人口島の東約1海里の海上で浸水した1艘の木製の船を発見し、乗っていた14人の男女全員を救助したとのこと。

浸水した木製の密航船(写真:澳門海關)

浸水した木製の密航船(写真:澳門海關)

その後、14人と木製ボートをマカオ税関に移送して調査が進められ、これがマカオ消防局へ緊急通報したボートに間違いないと確認された。乗っていた14人のうち、2人がベトナム籍、12人が中国本土出身で、年齢は22〜54歳だった。このうち中国本土出身の男1人が密航ほう助、ベトナム籍の男女2人が密航のそれぞれ再犯者だったことから、司法機関へ送致された。残る男5人、女6人については、速やかに強制送還されるとのこと。

2003年に中国本土から香港、マカオを訪れるための個人旅行者向け入境許可証の発給をスタートしたが、渡航頻度、滞在期限などに制限が多いことなどから、違法な就労や賭博、観光などを目的とした密航やオーバーステイが後を絶たない。不法行為を手引きする蛇頭も暗躍し、超過滞在者の隠れ家となる違法宿泊施設の存在なども社会問題化している。

密航船に乗っていた14人の男女(写真:澳門海關)

密航船に乗っていた14人の男女(写真:澳門海關)

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