第65回マカオGP閉幕、F3は英国のティクタムが連覇…大クラッシュ発生で1時間超の中断も=木下みつひろがツーリングカーカップ2位で日本勢唯一の表彰台

マカオ・ギアサーキットを舞台に4日間にわたって熱戦が繰り広げられた「サンシティグループ第65回マカオグランプリ」が今日(11月18日)閉幕した。

期間中、「サンシティグループフォーミュラ3(F3)マカオグランプリ-FIA F3ワールドカップ」、「SJMマカオGTカップ – FIA GTワールドカップ」、「サンシティグループマカオギアレース – FIA WTCR(ワールドツーリングカーカップ)」、「サンシティグループ第52回マカオモーターサイクルグランプリ」など6種のレースが開催され、日本を含む世界各国・地域から集結したおよそ160人のドライバーが屈指の難コースとして知られる全長6.2キロの市街地サーキットを駆け抜けた。

最終日となる今日、日本人選手が出場する「SJMマカオGTカップ – FIA GTワールドカップ」決勝、「サンシティグループF3マカオグランプリ-FIA F3ワールドカップ」決勝など、計5レースが開催された。

「サンシティグループF3マカオグランプリ-FIA F3ワールドカップ」決勝レース=2018年11月18日、マカオ・ギアサーキット(写真:GCS)

「サンシティグループF3マカオグランプリ-FIA F3ワールドカップ」決勝レース=2018年11月18日、マカオ・ギアサーキット(写真:GCS)

午後12時28分スタートの「SJMマカオGTカップ-FIA GTワールドカップ」決勝は、14台が出場。日本人ドライバーとして唯一出場した松田次生(所属チーム:KCMG)は13位でフィニッシュ。

午後3時34分スタートの「サンシティグループF3マカオグランプリ-FIA F3ワールドカップ」決勝には28台が出場。4周目に唯一の女性ドライバーでドイツ出身の17歳、ソフィア・フローレシュ(Van Amersfoort Racing)のマシンがリスボアベントと呼ばれる直角カーブ手前でコントロールを失い、ほぼトップスピードの状態で宙を舞い、コーナーのフェンスを突き破ってコース外に飛び出し、記者席に激突する大クラッシュが発生。およそ1時間20分にわたる中断の後に再開となった。ポールポジションからスタートした英国出身のダニエル・ティクタム(Motopark Academy)が終始トップをキープし、連覇を達成した。2位はティクタムのチームメイトでスウェーデン出身のジョエル・エリクソン。

「サンシティグループF3マカオグランプリ-FIA F3ワールドカップ」表彰式。ダニエル・ティクタム選手が連覇を達成=2018年11月18日、マカオ・ギアサーキット(写真:GCS)

「サンシティグループF3マカオグランプリ-FIA F3ワールドカップ」表彰式。ダニエル・ティクタム選手が連覇を達成=2018年11月18日、マカオ・ギアサーキット(写真:GCS)

日本勢は9人が出場し、宮田莉朋(TOM’S)の13位が最高。以下、14位の関口雄飛(B-Max Racing Team)、16位の大湯都史樹(TODA Racing)、17位の片山義章(Carlin)、18位の阪口晴南(TODA Racing)、20位のマカオF3史上最年長エントリーとなる51歳のDRAGON/組田龍司(B-Max Racing Team)までが完走。佐藤万璃音(Motopark Academy)と笹原右京(Threebond Racing)は1周目で、フローレシュのクラッシュに巻き込まれた坪井翔(TOM’S)は4周目での途中リタイヤとなった。

マカオグランプリ経験者を父に持つミハエル・シューマッハの息子、ミック・シューマッハ(SJM Theodore Racing by Prema)は前年の16位から大きく順位を上げて5位に入った。

DRAGON/組田龍司選手=2018年11月17日、マカオ・ギアサーキット(写真:澳門體育局)

DRAGON/組田龍司選手=2018年11月17日、マカオ・ギアサーキット(写真:澳門體育局)

なお、マカオの政府系放送局TDMが大会組織委員会医療担当チームの責任者の話として報じた内容によれば、フローレシュ選手は頚椎骨折で、マカオの医療機関で検査と治療を受けているところで、意識はあり、四肢を動かすこともできるとのこと。他にも、このクラッシュに巻き込まれた坪井選手、マーシャル1人、日本人と中国本土出身のフォトグラファー各1人が病院に搬送されたが、いずれも意識があり、一部はすでに病院を出たという。

F3マカオグランプリは若手ドライバーのF1への登竜門として知られる存在。優勝を持つアイルトン・セナやミハエル・シューマッハがF1ワールドチャンピオンに輝いた。2001年に日本人初優勝を飾った佐藤琢磨も翌年からF1に参戦した。

ソフィア・フローレシュ選手=2018年11月14日、マカオ・ギアサーキット(写真:澳門體育局)

ソフィア・フローレシュ選手=2018年11月14日、マカオ・ギアサーキット(写真:澳門體育局)

このほか、大会3日目の昨日開催された(10時30分スタート)の「FOOD4Uマカオツーリングカーカップ」決勝では、日本人ドライバーとして唯一出場した木下みつひろ(所属チーム:GTO Racing Team)が昨年に続いて2位でフィニッシュし、表彰台に。

大会組織委員会の発表によれば、最終日の入場者数は延べ3万1000人で、4日間累計では前回大会より5000人多い8万3000人だったとのこと。前回大会は決勝レースが開催される週末(3日目、4日目)にかけて肌寒く、時折雨が降る天気となった一方、今大会は曇りがちの天気が続いたもののレース中の降雨はなく、温暖だった。

「FOOD4Uマカオツーリングカーカップ」決勝に出場した木下みつひろ選手。前年に続き2位でフィニッシュ=2018年11月18日、マカオ・ギアサーキット(写真:澳門體育局)

「FOOD4Uマカオツーリングカーカップ」決勝に出場した木下みつひろ選手。前年に続き2位でフィニッシュ=2018年11月18日、マカオ・ギアサーキット(写真:澳門體育局)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオにとって最大の旅客ソースとなる中国本土で5月1日から5日までが5連休(「五・一」労働節ゴー…
  2.  マカオは人口約68万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR…
  3.  澳門海關(マカオ税関)は4月28日、各イミグレーション施設で検査体制の強化を図り、違法な運搬活動…
  4.  マカオ政府統計・センサス局が4月26日に公表した資料によれば、今年(2024年)3月の総合消費者…
  5.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  3.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  4.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun