マカオ、新手の危険ドラッグがネット上に出回る…警察当局が注意呼びかけ

 マカオ司法警察局は12月8日、同局によるインターネットパトロールのほか、市民からの問い合わせなどを通じて、複数のSNS(ソーシャルネットワーキング)サイト上で幻覚や忘我効果を謳う「啪啪粉(PAPA粉)」なる薬物が販売されている状況を認知し、捜査を進めていると発表。

 司法警察局による情報分析と税関との合同調査を経て、11月16日に市内複数箇所で「啪啪粉」の小包を受け取ったマカオ人の男性3人を特定。3つの小包の中からそれぞれ0.5グラムの白色の粉末の入った小型カプセル8個と謎の液体の入ったガラス瓶1本が見つかった。司法警察局がこれらに対する成分分析調査を実施したところ、マカオのいわゆる「禁毒法」の規制対象となる物質は検出されなかったという。

 同時に、司法警察局が警務合同メカニズムを通じて、中国広東省珠海市の警察当局に事件を通知。珠海市警察当局でも「啪啪粉」の入った小包1個を検査したが、初歩結果では中国の禁毒法の規制対象となる物質ではなく、ホウ酸類物質の「ホウ酸トリエタノールアミン」のみが検出されたとのこと。この物質は機械、冶金、石油化学、建築などの産業で広く使用されているものという。

 司法警察局では、「啪啪粉」の含有物質は非食用であることが明確であるとし、市民に対して不法分子による被害に遭ったり、犯罪に巻き込まれないよう十分注意するよう呼びかけるとともに、この物質を他人に対して使用し、セクハラや身体、健康への被害を与えた場合、使用者は刑事責任を追うと強調した。

マカオ司法警察局によるネット上に出回る危険ドラッグ「啪啪粉」への注意喚起(写真:マカオ司法警察局)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  アジア有数の観光デスティネーションのマカオでは、年間最大の書き入れ時のひとつとなる五・一(労働節…
  2.  マカオ司法警察局は5月3日、同月1日にタイパ島のマンションの一室で男女の争う声がするとの近隣住民…
  3.  アジア有数の観光デスティネーションのマカオでは、年間最大の書き入れ時のひとつとなる五・一(労働節…
  4.  澳門海關(マカオ税関)は5月3日、前夜マカオ半島北部・台山エリアにある工業ビル、新城巿工業大廈内…
  5.  世界保健機関(WHO)は毎年5月5日を「世界手指衛生の日」と、グローバルな啓発活動を展開。マカオ…

ピックアップ記事

  1.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…

注目記事

  1.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun