香港、1/12単日の新型コロナ新規感染確認数60人…政府「春節ホリデーは不要不急の会合控えて」

 人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いている。

 香港政府は1月12日夕方の記者会見で、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数が60人だったと発表。輸入性はゼロで、すべて市中感染例だった。新規感染確認数は24日連続で2桁にとどまったが、近日は再び増加傾向にある。この日の感染経路不明は前日から2人増の11人に上った。このほか、陽性予備群(初歩感染確認者)は30人以上とのこと。

 依然として市内各所で集団感染(クラスター)や集合住宅(マンション、宿舎)における感染連鎖も続いている状況。終息の兆しは見えてこない。ここまでの香港における累計感染確認数は9344人、退院者数は8524人、死者数は159人。

 香港政府は早期に市中感染ゼロを達成することを目標として掲げ、状況に応じた施策を打ち出している。12月下旬に市中感染ゼロを英国や南アフリカで感染力が強いとされる変異種のウイルスが出現したこと、クラスター及び感染経路不明事案が続いていることなどを受け、既存の防疫措置の期間延長、感染者が確認されたマンションを対象とする強制検査、水際対策の厳格化、密接接触者追跡センターの稼働などが進んでいる。

 香港特別行政区の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は12日午前、行政会議出席前に記者会見に臨んだ際、毎日さまざまなところで新規感染者が確認されており、その中に市民の日常生活を支える職業の方も含まれ、憂慮広がる中だが、それ故に防疫措置を緩めることはできず、厳格な外からの流入防止対策を堅持する必要があり、市民に理解を求めたいとコメント。また、春節(旧正月)ホリデーをおよそ1ヶ月後に控える中、防疫対策の一環としえ不要不急の会合を控えるよう協力を呼びかけた。

 香港では1月頭にかけて新規感染確認数が明確に減少したが、近日再び状況が悪化。その理由として、年末の長期休暇中に街に出る人が増えたことなどを受け、市中で無症状の感染者による伝播があった可能性が指摘されている。

 なお、香港の隣にある人口約68万人のマカオでは、1月12日まで200日連続(輸入関連性症例に限ると289日連続)で新規感染確認がゼロとなっている。すでに中国本土との往来制限の緩和が進み、中国本土からのインバウンド旅客が戻りつつある中でもゼロを維持できていることから、水際措置が機能しているといえる。

記者会見に臨む香港特別行政区の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官=2021年1月12日(写真:news.gov.hk)

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