マカオ、2021年4月のホテル客室稼働率は58.5%…コロナ影響後最高、中国本土旅客がけん引

 マカオは人口約68万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリをはじめとした大規模イベントが数多く開催されるアジア有数の国際観光都市として知られる。

 マカオの年間訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)は一昨年(2019年)には延べ(以下同)3940万6181人に上ったが、昨年(2020年)は対前年85.0%減の589万6848人にとどまった。昨年1月下旬から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)防疫対策の一環として入境制限を含む厳格な水際措置が講じられていることが主要因。ただし、マカオと中国本土における流行状況が落ち着いてきたことを受け、昨年7月15日から両地の間で水際対策が一部緩和(新型コロナウイルス核酸検査の陰性証明書の提示などの条件付きで隔離検疫を免除)された上、中国広東省珠海市居民及び広東省居民を対象にしたビザに相当するマカオ渡航許可(個人・団体観光旅行)の申請受付がそれぞれ8月12日、26日から再開、9月23日から中国本土全域に拡大した。これと並行してマカオと中国各地を結ぶ海路、空路の交通アクセスも再開が続く状況。

 今年4月のインバウンド旅客数は前年同月から71.0倍増、前月から5.3%増の79万4819人だった。対前月では2ヶ月連続増。

 マカオ政府統計調査局は5月27日、今年4月のホテル宿泊客関連統計を公表。同月の平均ホテル客室稼働率(新型コロナの影響で一時休業中及び隔離検疫用ホテルの客室分は含まず、以下同)は58.9%で、前年同月から45.9ポイント(pt)、前月からも3.2ptのそれぞれ上昇。新型コロナの影響が生じて以降の最高を2ヶ月連続で更新した。

 ホテル等級別では、5つ星が前年同月から50.9pt上昇の56.7%、4つ星が43.7pt上昇の62.7%、3つ星が44.3pt上昇の68.5%、2つ星ホテルが2.5pt上昇の40.8%、ペンサオン(ゲストハウス)が1.4pt下落の42.1%。なお、5つ星ホテルの供給客室数が8.1%増、4つ星ホテルが14.6%増、3つ星ホテルが10.8%増、2つ星ホテルが27.7%増、ペンサオンが18.6%増だった点も考慮する必要がある。

 今年4月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同時期から9軒増の119軒、供給客室数は10.5%増の3.73万室あり、このうち5つ星ホテルが横ばいの33軒で、供給客室数は全体の61.9%を占める2.31万室。

 今年4月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月から5.5倍増の69.4万人。中国本土旅客は前年同月から7.6倍増となる60.3万人だった。地元のマカオ客も1.5倍増の6.1万人で、ステイケーション需要とみられる。ホテル宿泊客の平均滞在時間は前年同月から0.6日短い1.6日。

 今年1〜4月累計の平均ホテル客室稼働率は前年同時期から13.8pt上昇の48.4%、ホテル宿泊者数は36.1%増の214.8万人。ホテル宿泊客の平均滞在時間は横ばいの1.7日。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2020年7月本紙撮影

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