マカオ、カジノテーブルで勤務中に複数回チップ着服したディーラー職の男逮捕…約238万円分、換金担当の妻も

 マカオ司法警察局は2月9日、コタイ地区にあるIR(統合型リゾート)併設のカジノに勤務するマカオ人のカジノディーラー職の男(45)とその妻を勤務中にゲーミング(カジノ)チップを着服し、換金したとして業務上横領容疑で逮捕したと発表。

 警察発表によれば、今年1月下旬にカジノ運営会社から「ディーラー職の男1人が2021年12月13日から2022年1月17日までの間、17回にわたってゲーミングテーブルで勤務中にチップを盗み、男の妻が換金をサポートしていた疑いがある」との通報が寄せられたとのこと。通報を受けた同局が捜査を進める中で、毎回額面1000香港ドル(日本円換算:約1万4810円)または1万香港ドル(約14万8100円)のチップ1枚を着服しており、合計16.1万香港ドル(約238万円)分に上ったことが確認されたとした。

 その後、2月6日に男が勤務中に再び犯行に及んだところで身柄を拘束。この際、男は手のひらに透明のビニールテープを仕込み、額面1万香港ドル分のチップ1枚が付着していたという。その後、更衣室にあるロッカーの中から犯行に使った道具が見つかり、妻についても自宅で身柄を拘束した。

 男は警察の調べに対し、自身の犯行と妻が換金に関わっていたことを認め、動機については財政的に困難な状況にあったなどと供述をしているとのこと。

 マカオのカジノ施設でテーブルゲームに参加する際、現金ではなくチップを使用する。チップは少し分厚いコインのような形をしており、額面によって色やデザインが異なるが、いずれも小さく軽い。1枚10万香港ドル(約148万円)以上の高額チップも存在する。

 チップはカジノフロアにあるキャッシャーと呼ばれるカウンターで額面の現金と交換することができる。つまり、現金そのもの。マカオのカジノでは、しばしばチップを狙った犯罪が発生している。

マカオ司法警察局(資料)—本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ政府統計・センサス局が4月26日に公表した資料によれば、今年(2024年)3月の総合消費者…
  2.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  3.  マカオ司法警察局は4月26日、前月(3月)コタイ地区の統合型リゾート(IR)併設カジノ場内にある…
  4.  澳門海關(マカオ税関)は4月26日、世界知的所有権機関(WIPO)が制定した「世界知的財産の日(…
  5.  マカオにとって最大の旅客ソースとなる中国本土では5月1日から5日までが5連休(「五・一」労働節ゴ…

ピックアップ記事

  1.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…

注目記事

  1.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  5.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun