香港の新型コロナ流行深刻化受けマカオでも市中感染リスク増大…当局がワクチン接種を緊急呼びかけ

 マカオと近接し、陸路でもつながっている香港において、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行第5波が始まり、2月に入って以降、状況が深刻化している。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは2月20日午後に発出した声明の中で、近隣地区で新型コロナの大規模な市中伝播が出現し、重症化や死亡に至るケースも増えているほか、香港からマカオに到着した人の輸入性感染が発覚するケースが多くなってきたことから、マカオの市中における感染リスクは明らかに増大していると指摘。市民に対してすぐに新型コロナワクチンを接種を受けるよう緊急の呼びかけを行った。また、すでにワクチンを2回接種済みでも、2回目の接種から6ヶ月以上が経過した18歳以上については、速やかにブースター接種(3回目の接種)を受けるよう促した。

 同センターでは、マカオの市中における感染リスクが一層上昇した場合、厳格な防疫措置を講じる予定としており、ワクチン未接種の場合に不便が生じることになるとの見通しも示した。

 同日、50歳以上の未接種者に対し、SMS(ショートメール)機能を使った呼びかけも実施されたほか、香港の例から幼児の感染リスクが高い中、マカオでは3〜11歳の接種率が8.5%にとどまる中、学校を通じた接種を呼びかける通達も発出済みという。

 マカオでは、2月20日まで133日連続で市中感染例ゼロを維持しているが、輸入性については今年1月以降で23人に上っている。内訳はデルタ変異株が2人、オミクロン変異株が21人で、1月7日以降のケースはすべてオミクロン変異株とのこと。

新型コロナワクチン接種を受けるマカオ市民(資料)=2021年5月20日、マカオフォーラム(写真:GCS)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ司法警察局は5月3日、同月1日にタイパ島のマンションの一室で男女の争う声がするとの近隣住民…
  2.  アジア有数の観光デスティネーションのマカオでは、年間最大の書き入れ時のひとつとなる五・一(労働節…
  3.  澳門海關(マカオ税関)は5月3日、前夜マカオ半島北部・台山エリアにある工業ビル、新城巿工業大廈内…
  4.  世界保健機関(WHO)は毎年5月5日を「世界手指衛生の日」と、グローバルな啓発活動を展開。マカオ…
  5.  アジア有数の観光デスティネーションのマカオでは、年間最大の書き入れ時のひとつとなる五・一(労働節…

ピックアップ記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun