中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は21省市区で2388人…吉林省が約8割、広東省では34日連続=3/17

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が3月18日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月17日の中国本土における新規市中感染確認は2388人(前日から1162人増)だったとのこと。内訳は、吉林省1834人(吉林市1210人、長春市595人、四平市26人、延辺朝鮮族自治州2人、松原市1人)、福建省113人(泉州市111人、福州市1人、アモイ市1人)、広東省74人(深セン市69人、東莞市4人、珠海市1人)、天津市61人(武清区27人、西青区17人、南開区4人、河東区3人、津南区3人、浜海新区3人、紅橋区2人、河北区1人、宝テイ区1人)、山東省61人(浜州市31人、青島市20人、徳州市4人、臨沂市3人、煙台市2人、シ博市1人)、上海市57人(浦東新区25人、徐匯区8人、黄浦区7人、宝山区5人、嘉定区5人、閔行区4人、静安区1人、普陀区1人、虹口区1人)、遼寧省46人(営口市29人、大連市13人、瀋陽市4人)、陝西省33人(宝鶏市20人、銅川市5人、西安市4人、漢中市4人)、河北省24人(廊坊市)、黒竜江省16人(ハルビン市)、甘粛省16人(蘭州市15人、蘭州新区1人)、浙江省13人(衢州市9人、嘉興市3人、舟山市1人)、重慶市10人(沙坪ハ区9人、巴南区1人)、北京市7人(東城区2人、西城区2人、朝陽区2人、豊台区1人)、内モンゴル自治区7人(通遼市4人、フフホト市3人)、雲南省5人(徳宏タイ族チンポー族自治州)、江蘇省4人(常州市2人、連雲港市1人、宿遷市1人)、江西省2人(南昌市)、湖南省2人(長沙市1人、岳陽市1人)、広西チワン族自治区2人(南寧市1人、桂林市1人)、河南省1人(洛陽市)。このうち福建省の6人、天津市の5人、内モンゴル自治区、山東省、広東省の各3人、浙江省の2人、雲南省と甘粛省の各1人の計24人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは153日連続。4桁となるのは6日連続。

 市中の無症状感染例についても34日連続で出現し、吉林省792人(吉林市774人、四平市11人、延辺朝鮮族自治州7人)、上海市203人(閔行区79人、嘉定区30人、徐匯区27人、黄浦区12人、浦東新区11人、松江区10人、宝山区9人、普陀区6人、虹口区6人、静安区3人、崇明区3人、楊浦区2人、奉賢区2人、長寧区1人、金山区1人、青浦区1人)、河北省193人(廊坊市185人、滄州市8人)、山東省162人(浜州市91人、威海市34人、シ博市16人、イ坊市7人、青島市5人、聊城市5人、徳州市3人、煙台市1人)、福建省83人(泉州市81人、福州市1人、ホ田市1人)、遼寧省79人(営口市42人、大連市25人、瀋陽市12人)、広東省61人(深セン市36人、東莞市25人)、江蘇省47人(常州市22人、連雲港市14人、南京市8人、蘇州市2人、鎮江市1人)、黒竜江省35人(ハルビン市)、雲南省25人(徳宏タイ族チンポー族自治州24人、紅河ハニ族イ族自治州1人)、広西チワン族自治区20人(欽州市10人、崇左市5人、防城港市2人、百色市2人、北海市1人)、浙江省10人(衢州市)、甘粛省10人(蘭州市)、重慶市6人(永川区3人、沙坪ハ区1人、巴南区1人、江津区1人)、江西省5人(南昌市4人、九江市1人)、安徽省4人(銅陵市3人、馬鞍山市1人)、内モンゴル自治区3人(フフホト市2人、通遼市1人)、天津市2人(東麗区1人、武清区1人)、北京市1人(東城区)、四川省1人(成都市)の計1742人。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的に市中感染確認例が出現している状況で、3月17日まで34日連続。オミクロン変異株(「ステルスオミクロン」とも呼ばれる亜種BA.2を含む)が主とされている。

 同省内の深セン市と東莞市では、3月14日から7日間の予定でロックダウン及び全市民対象のPCR検査(期間中複数回受検)が行われており、公共交通機関の運休や必需品関連以外の商店が休業するなどしている。近日はマカオとの往来も盛んな珠海市で複数の感染者が出現したことを受け、マカオ域内でも濃厚接触者、二次接触者として隔離検疫の対象となる例が相次いでいる。17日にはマカオの総合病院に看護師助手として勤務する女性が濃厚接触者とされ、多くの同僚らが二次接触者とされたことから、一部で診療ストップを余儀なくされるに至った。

 目下、広東省の2市のみならず、中国本土各地で全市レベル、地域レベルでのロックダウンが実施されている。

 3月17日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は1万6974人(うち輸入性が2368人)で、重症者は18人(うち輸入性1人)。無症状の患者1万2786人(輸入性1802人)が医学観察下にあるとのこと。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「動態清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では3月17日まで158日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、3月17日までの累計は約98万人超に。近日になってようやくピークを過ぎたとの見方が示されたが、依然として高止まりが続く。目下、香港ではステルスオミクロンの伝播が主となっているとされる。公立病院の隔離病床及び市中の隔離施設が深刻なキャパシティ不足に直面しており、中国中央のサポートを経て仮設施設の建設、医療支援チームの受け入れなどが進むほか、3月にかけて全市民を対象とした強制PCR検査を実施するとアナウンス済み。

 上述の通り、マカオは安定を維持しているものの、マカオ政府は17日夕方の記者会見において、昨今の香港及び広東省における情勢を鑑み、マカオへの流入リスクが高まっているとし、マカオの市中で感染爆発が出現した場合に備えた緊急対応策を発表した。

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

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