中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は約2.3万人…大半が上海市=4/6

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。最近の再流行は主にオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)が主とされる。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が4月7日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月6日の中国本土における新規市中感染確認は1284人(前日から99人減)だったとのこと。内訳は、吉林省890人(長春市766人、吉林市112人、白城市11人、四平市1人)、上海市322人(浦東新区150人、長寧区31人、普陀区28人、静安区27人、閔行区21人、徐匯区19人、楊浦区12人、黄浦区9人、宝山区9人、嘉定区6人、青浦区4人、金山区3人、松江区2人、虹口区1人)、浙江省14人(嘉興市10人、寧波市2人、温州市1人、紹興市1人)、四川省10人(成都市7人、楽山市2人、遂寧市1人)、黒竜江省9人(ハルビン市5人、牡丹江3人、黒河市1人)、山西省7人(太原市6人、運城市1人)、福建省7人(泉州市5人、アモイ市1人、寧徳市1人)、北京市4人(朝陽区)、山東省4人(威海市2人、済南市1人、青島市1人)、海南省4人(三亜市)、河北省3人(邯鄲市)、江蘇省3人(徐州市1人、蘇州市1人、鎮江市1人)、江西省2人(南昌市)、内モンゴル自治区1人(通遼市)、遼寧省1人(瀋陽市)、安徽省1人(阜陽市)、河南省1人(周口市)、貴州省1人(黔西南プイ族ミャオ族自治州)。このうち吉林省の53人、上海市の15人、浙江省の8人、四川省の6人、福建省の5人、山東省と海南省の各2人、北京市、内モンゴル自治区、安徽省、河南省の各1人の計95人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは173日連続。4桁となるのは26日連続。

 市中の無症状感染例についても2万1711人(前日から2622人増)に上った。近日は上海市で増加傾向、吉林省で高止まりが続く。内訳は、上海市1万9660人(浦東新区8296人、閔行区2387人、嘉定区1402人、徐匯区1087人、黄浦区1041人、普陀区1008人、松江区781人、虹口区669人、宝山区653人、楊浦区621人、静安区516人、青浦区465人、長寧区328人、奉賢区267人、金山区76人、崇明区63人)、吉林省1546人(長春市1423人、吉林市122人、四平市1人)、河北省139人(邯鄲市78人、保定市59人、石家庄市1人、定州市1人)、江蘇省75人(宿遷市39人、蘇州市25人、南京市4人、徐州市2人、南通市2人、鎮江市2人、塩城市1人)、安徽省60人(淮南市36人、阜陽市17人、六安市5人、合肥市2人)、浙江省41人(嘉興市37人、杭州市2人、寧波市1人、紹興市1人)、河南省36人(永城市20人、周口市16人)、江西省32人(南昌市31人、上饒市1人)、山東省26人(済南市9人、臨沂市7人、イ坊市6人、威海市2人、棗荘市1人、カ沢市1人)、遼寧省21人(瀋陽市15人、鞍山市6人)、福建省16人(泉州市)、黒竜江省11人(牡丹江市5人、ジャムス市4人、ハルビン市1人、大慶市1人)、海南省9人(三亜市6人、陵水リー族自治県2人、海口市1人)、広西チワン族自治区8人(崇左市4人、防城港市2人、百色市2人)、雲南省6人(徳宏タイ族チンポー族自治州4人、紅河ハニ族イ族自治州2人)、天津市4人(西青区3人、南開区1人)、湖北省4人(随州市3人、武漢市1人)、広東省4人(仏山市)、四川省4人(楽山市2人、成都市1人、遂寧市1人)、新疆ウイグル自治区4人(ウルムチ市)、寧夏回族自治区2人(呉忠市)、山西省1人(太原市)、内モンゴル自治区1人(通遼市)、青海省1人(西寧市)。

 無症状を含む新規感染者が5桁となるのは5日連続で、2日連続2万人を突破し、流行開始後の最多を更新した。

 4月6日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は2万4123人(うち輸入性が497人)で、重症者は85人(輸入性はゼロ)。無症状の患者13万2948人(輸入性993人)が医学観察下にあるとのこと。

中国・上海(資料)—本紙撮影

中国・上海(資料)—本紙撮影

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的に市中感染確認例が出現していたが、近日の両市の感染確認数は低位を維持している。

 このところ中国本土の多くの省市区で新規感染者の出現が相次いでいるが、特に深刻なのが東北部の吉林省と華東部の上海市。上海市では当初3月28日から4月5日の予定で事実上のロックダウンを伴う全市民を対象としたPCR検査を実施したが、6日時点でも解除に至っていない。6日、全市民を対象としたPCR検査または抗原検査(リスク度合いにより検査内容が異なる)が実施され、検査結果を踏まえて、今後の防疫措置に関する検討が為されるという。同市では、4日から6日までの3日連続で1万人以上の感染者が出現しており、予断を許せない状況が続く。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では4月6日まで178日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、4月6日までの累計は約116.7万人(無症状含む)、死亡者数は8247人、死亡率は0.71%に。3月初旬にピークを過ぎたとされ、直近5日連続で新規感染確認数が5千人以下となったが、依然として高止まりが続く状況。目下、香港ではステルスオミクロンの伝播が主とされる。

 上述の通り、マカオは安定を維持しているものの、近日は中国本土で出現した感染例の濃厚接触者あるいは二次接触者に認定され、隔離検疫の対象とされるケースや輸入品に付着したウイルスの発見も相次いでおり、流入に備えて水際措置を含む各種防疫対策が強化されている。

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ政府とコンセッション(カジノ経営権契約)を結ぶ6陣営の一角にあたるサンズチャイナは5月16…
  2.  澳門海關(マカオ税関)は5月15日、各イミグレーション施設で税関検査の強化を図るとともに、香港税…
  3.  マカオの統合型リゾート(IR)運営6陣営の一角にあたるサンズチャイナは5月15日、コタイ地区にあ…
  4.  きのう(5月15日)はマカオ及びマカオにとって第二の旅客ソースである香港でパブリックホリデーとな…
  5.  マカオの統合型リゾート(IR)運営企業SJMリゾーツ社の何超鳳(デイジー・ホー)常務董事(マネジ…

ピックアップ記事

  1.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun