マカオ税関が運び屋への商品供給拠点を摘発…高級食材「乾燥花膠」75キロ押収

 澳門海關(マカオ税関)は9月27日、同月26日夜にマカオ半島北部・關閘エリアにあるショッピングアーケード内に開設された違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)従事者向けの商品供給拠点1ヶ所を摘発したと発表。

 現場となった關閘エリアは中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーションに近く、以前から両地の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘されており、当局が高頻度でパトロールや摘発を行っている場所。

税関が発見、押収した乾燥花膠(写真:澳門海關)

 税関によれば、当該ショッピングアーケード内の一部テナントが運び屋に商品を供給する拠点になっている可能性があるとの通報を受け、現場に職員を派遣して内偵調査を行っていたとのこと。26日夜、運び屋とみられる男1人がターゲットのテナントを出た後に追跡を開始したところ、男が徒歩で關閘イミグレーションビルに入り、中国本土側へ向けて出境したため、出境フロアにあるマカオ側の税関検査場で呼び止め手荷物検査を実施。男の所持品の中からまとまった量の乾燥花膠(魚の浮き袋の乾物で中国では珍味とされる)が発見され、男は税関の調べに対して物品は当該テナントでピックアップしたもので、運搬協力費名目で報酬を得て中国本土側へ持ち出そうとしたなどと説明し、運び屋行為を認めたという。

 これを受け、税関では速やかに当該テナントに対する摘発に着手。現場にいた責任者の男の身柄を拘束するとともに、輸出に必要な書類のない乾燥花膠約75キログラム、市価約6万パタカ(日本円換算:約111万円)相当を発見したとのこと。

摘発の対象となった運び屋向け商品供給拠点(写真:澳門海關)

 運び屋の男、テナントの責任者の男ともにマカオで就労する中国人(中国本土居民)だったといい、両者を対外貿易法違反で起訴し、発見に至った商品を押収するとともに、雇用関連法規に触れる行為があったとして労工事務局の調査を受け、治安警察局の入管部門に身柄を引き渡し済みとした。このほか、テナントの営業許可証明書類もなかったことから、財政局の調査対象になったという。

 税関では、広く公衆に対して報酬目当てで運び屋行為に従事するようなことがないよう呼びかけ、今後も適宜法執行策を調整しながら全力を挙げて摘発を進めるとした。

対外貿易法違反で起訴された運び屋向けの商品供給拠点の責任者の男(写真:澳門海關)

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