マカオの衛星カジノ11軒が年末までにクローズ
- 2025/6/9 20:32
- カジノ・IR
マカオ政府は6月9日午後5時からマカオ政府本部ビルで特別会見を行い、SJMリゾーツ社、メルコリゾーツ(マカオ)社、ギャラクシーカジノ社から今年(2025年)12月31日までに3社が運営する全11軒のいわゆる「衛星カジノ」を商業的考慮を理由にクローズするとの正式通知を受けたと発表。
衛星カジノとは、マカオ政府とカジノ経営コンセッションを結ぶ事業者の所有ではない物件内(主にマカオ半島新口岸地区の中小規模のホテル内)にあり、フランチャイズのような契約形態で運営されるカジノ施設を指す。2023年1月1日に施行された改正娯楽場幸運博彩経営法律制度(通称「新カジノ法」)の規定により、カジノ施設はコンセッション事業者の所有する物件内に設置することが必須となったが、従来の形態で衛星カジノを運営できる過渡期が3年間(2025年12月31日まで)設けられ、以降に継続する場合は管理会社方式を採用し、衛星カジノオーナーは管理会社としてコンセッション事業者から施設の清掃や警備等に関する管理費のみを受け取れるが、カジノ運営に一切関与できず、いかなる方式でのレベニューシェアやコミッションの受け取りもできないとされた。2022年にかけて法改正手続きが進む中、もともと約20軒あった衛星カジノのうち一部が相次ぎクローズし、現在まで存続しているのは11軒を残すのみに。
2025年12月31日までにクローズとなる衛星カジノ施設は下記の通り。
<SJMリゾーツ社運営>
・グランドビューカジノ(君怡娛樂場/Casino Grandview)
・レジェンドパレスカジノ(勵宮娛樂場/Casino Legend Palace)
・フォーチュナカジノ(財神娛樂場/Casino Fortuna)
・ランドマークカジノ(置地娛樂場/Casino Landmark)
・ポンテ16カジノ*(十六浦娛樂場/Casino Ponte 16)
・ルロイヤルアークカジノ*(凱旋門娛樂場/Casino Le Royal Arc)
・エンペラーパレスカジノ(英皇宮殿娛樂場/Casino Emperor Palace)
・カムペックパラダイスカジノ(金碧匯彩娛樂場/Casino Kam Pek Paradise)
・カーサレアルカジノ(皇家金堡娛樂場/Casino Casa Real)
<メルコリゾーツ(マカオ)社運営>
・グランドドラゴンカジノ(Casino Grand Dragon)
<ギャラクシーカジノ社運営>
・ワルドカジノ(Casino Waldo)
上記の*印の2施設について、SJMリゾーツ社は衛星カジノとしてはクローズするものの、施設所在ホテルの所有権を買い取り直営物件とすることで、新カジノ法の規定に合わせて運営を継続する考えとのこと。
このほか、メルコリゾーツ(マカオ)社は、自社所有ではない物件内で運営するスロット専門カジノ施設のモカクラブ(摩卡/Mocha Clubs)6施設について、グランドドラゴン(駿龍/Grand Dragon)、ロイヤル(皇都/Royal)、クォンファ(廣發/Kuong Fat)の3店舗を2025年12月31日までにクローズ、残るゴールデンドラゴン(金龍/Golden Dragon)、内港(內港/Inner Harbour)、シントラ(新麗華/Sintra)の3店舗は管理会社方式での経営継続を検討しているという。

マカオ政府では、SJMリゾーツ社が2施設の直営化、メルコリゾーツ社がモカクラブ3施設の管理会社方式での継続をそれぞれ検討していることについて、申請があった場合、新カジノ法の規定に則って審査を進めるとした。
なお、SJMリゾーツ社及びメルコリゾーツ社が9日に発出したプレスリリースによれば、衛星カジノ施設11軒及びモカクラブ3店のクローズの影響を受けるゲーミングテーブル及び電子ゲーミングマシンについては、それぞれ同系列施設内に再配分されるとしている。マカオカジノ管理当局が会見で発表した当該衛星カジノ施設11軒のゲーミングテーブル台数は約480台、ゲーミングマシン台数は約270台。
マカオ政府は3社の決定に理解を示すとした上、3社に対して影響を受けるマカオローカルの従業員に対して適切に処遇するよう要求したことも明らかにした。衛星カジノの総従業員数は約6000人で、マカオローカルは約5600人(コンセッション事業者が雇用し各衛星カジノ施設へ派遣している約4800人と衛星カジノが直接雇用する約800人)、モカクラブは総従業員数が約350人、このうちローカル約300人という。
