マカオ税関が運び屋向け密輸品供給拠点摘発…冷凍豚もつ肉約1700キロ発見

 澳門海關(マカオ税関)は9月20日、違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)の趨勢に関する情報収集・分析を進めるとともに、取り締まり強化して臨む中、同月19日のパトロール中にマカオ半島北部に所在するビル内で運び屋向け商品供給拠点を1ヶ所発見し、即時に摘発を行ったと発表。

 マカオ半島北部については、中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーション(通称:ボーダーゲート)に近い位置にあることから、以前から両地の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘されており、当局が高頻度でパトロールや摘発を行っている。

 税関によれば、摘発対象となった場所には現場責任者のマカオ人の女(38)が1人がおり、中から冷凍豚もつ肉約1700キログラム、市価およそ17万パタカ(日本円換算:約314万円)相当を発見したとのこと。

 税関では、この女が運び屋を組織して中国本土へハンドキャリー方式で密輸出することにより正当な貿易活動の規制逃れを図り、また貨物の出どころを証明する書類を提示できなかったとして対外貿易法違反で行政違法手続きに着手するとともに、食材が室温下で放置されていたことから、保管状況(温度管理)が食品安全法に触れる可能性があるとして市政署に通報。食材については廃棄処分済みとした。さらに、この場所が営業許可証なしで開設・運営がなされていたことも明らかとなり、財政局がフォローアップを進めるという。

密輸品供給拠点に対する摘発の様子=2025年9月19日(写真:澳門海關)

 アフターコロナでマカオと外地の往来が正常化した一昨年(2023年)の年初以来、マカオでは運び屋が絡む密輸事案がの摘発が頻発。昨年から直近にかけてマカオから中国本土への密輸出で摘発されたケースについては、鶏もみじを含む冷凍肉類や活ロブスターといった食材と中古スマホやパソコン用のCPUといった電子製品が目立っている。最近は冷凍肉類のうち鶏もみじの摘発例が相次ぎ、冷凍豚もつ肉に関するものは約4ヶ月ぶり。

 税関は本件を受け、市民に対して報酬を目当てに運び屋行為へ従事しないよう累次の呼びかけを行い、今後も取り締まり戦略を随時調整しながら全力を挙げて運び屋行為の撲滅に取り組む考えを示した。

密輸品供給拠点に対する摘発の様子=2025年9月19日(写真:澳門海關)

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