海南航空、食用廃油使った新型バイオ航空燃料で商業飛行に成功=中国初

3月21日午前、新型バイオ航空燃料を搭載し、乗客156名と乗員8名を乗せて上海から飛び立った海南航空のB737-800型機が無事に北京へ到着した。バイオ燃料を使った商業飛行としては中国初の出来事となる。

マカオの日刊紙「澳門日報」が3月22日付誌面で新華社北京電を引用して報じた内容によると、今回のフライトで2機のエンジンに使用された燃料は中国最大の石油会社シノペック(中国石化)が飲食店から回収した「地溝油」と呼ばれる再生食用油を原料としたバイオ燃料と従来型のジェット燃料を1対1で混合させたものという。

シノペックの広報担当によると、今回使用したバイオ航空燃料は同社が自主開発したもので、数々のテストをクリアした安全性、生産の効率性、さらに環境にも優しいものだという。新型バイオ航空燃料の生産を継続することで、二酸化炭素放出量を50〜80%低減させることが可能とのこと。

なお、ドイツのJACDEC(航空機事故データ評価センター)が2014年に発表した世界の航空会社の事故歴、事故による死傷者数、旅客輸送量などの各種データから算出された安全度指数のランキングによると、海南航空は中国本土を本拠地とする航空会社中で最高位となる14位に位置している。

海南航空B737-800型機による中国初のバイオ航空燃料を使った商業飛行が成功=3月21日、北京(写真:中国石化)

海南航空B737-800型機による中国初のバイオ航空燃料を使った商業飛行が成功=3月21日、北京(写真:中国石化)


シノペックが自社開発した食用廃油を原料の一部とした新型バイオ航空燃料の輸送車=3月21日、上海(写真:中国石化)

シノペックが自社開発した食用廃油を原料の一部とした新型バイオ航空燃料の輸送車=3月21日、上海(写真:中国石化)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオは人口約68万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR…
  2.  澳門海關(マカオ税関)は4月28日、各イミグレーション施設で検査体制の強化を図り、違法な運搬活動…
  3.  マカオ政府統計・センサス局が4月26日に公表した資料によれば、今年(2024年)3月の総合消費者…
  4.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  5.  マカオ司法警察局は4月26日、前月(3月)コタイ地区の統合型リゾート(IR)併設カジノ場内にある…

ピックアップ記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  4.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  5.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun