ムーディーズ、マカオの格付け「Aa2」に据え置き=潤沢な財政準備を評価も過度なカジノ依存を指摘

マカオ経済の屋台骨となるカジノ産業の低迷が続いている。マカオの月次カジノ売上(グロス・ゲーミング・レベニュー)は昨年(2014年)6月から今年6月まで13ヶ月連続で前年割れを記録。今年1〜6月の累計カジノ売上は、前年同月比37.0%減の1216.45億パタカ(日本円換算:約1兆8657億円)となっている。

マカオの日刊紙「澳門日報」が7月8日付紙面で報じた内容によると、米格付け大手のムーディーズ・インベスターズ・サービスが近日発表したレポートの中で、マカオ特別行政区の信用格付けを上位から3番目の「信用力が高いと判断され、信用リスクが極めて低い債務に対する格付」とされる「Aa2」に据え置いたという。

レポートでは、過去10年間のマカオの平均経済成長幅が同じ格付けにある主権国家のそれを大きく上回っていること、膨大な財政準備を抱えていること、債務がないことを挙げ、昨今のカジノ低迷に対する緩衝要素となっているとした。一方、マカオ経済は過度なカジノ依存の状態にあり、多様性に欠けると指摘し、格付け評価上の制約になっているとした。

また、短期的にはカジノ低迷の影響を受けGDPの縮小が見受けられるが、経済の適度な多元化を実現することで中期的には安定的かつ持続的な発展をキープできるとの見通しを示している。

マカオの大型カジノIR(統合型リゾート)施設集積エリア、コタイ地区の夜景(資料)=2015年3月(写真:GCS)

マカオの大型カジノIR(統合型リゾート)施設集積エリア、コタイ地区の夜景(資料)=2015年3月(写真:GCS)

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