従業員の4割を海外から、マカオの新IRスタジオ・シティ=就労ビザ2000人分獲得

マカオ・コタイ地区で10月27日にオープンを予定している大型IR(スタジオ・シティ)について、マカオ当局がマカオ居民(マカオ居留権保有者)2900人以上の雇用を前提に、海外(中国本土・香港を含む)からの労働者2000人分の就労ビザを発給したことが分かった。

スタジオ・シティ運営会社は、同施設の従業員数は約8500人で、開幕時点では約5000人と発表済み。オープニングスタッフのうち、およそ4割を海外からの労働者が占めることになる。

マカオの人口は約64万人で、このうち3割にあたる18万人を海外労働者が占める。海外労働者の出身地別では中国本土の11.7万人が圧倒的に多く、フィリピンの2.3万人、ベトナムの1.4万人、香港の1万人と続く。

マカオの日刊紙澳門日報が10月24日付紙面で報じた記事によると、マカオ政府ヒューマンリソースオフィスは今回のスタジオ・シティに対する大規模な就労ビザの発給にあたり、地元雇用の優先、地元労働者の権利が損なわれないことが前提条件であるとし、マカオ居民の雇用が2900人を下回った場合や、海外労働者の採用によりマカオ居民を不合理なかたちで解雇したことなどが発覚した場合、ルールに則って措置を見直す考えを示したという。

スタジオ・シティはハリウッド映画をテーマとした大型IR施設で、カジノ、ホテル、ショッピングモール、多目的アリーナのほか、世界初の8の字型観覧車「ゴールデン・リール」、バットマンをテーマにしたアトラクション「バットマン・ダーク・フライト」、世界的イリュージョニストとして知られるフランツ・ハラレー氏プロデュースの常設型マジックアトラクション「ザ・ハウス・オブ・マジック」など、これまでマカオに不足していたファミリー向けレジャー・エンターテイメント要素を多数盛り込んでいるのが特徴。

スタジオ・シティ外観イメージ=マカオ・コタイ地区—本紙撮影

スタジオ・シティ外観イメージ=マカオ・コタイ地区—本紙撮影

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