マカオのカジノ関連犯罪件数4割増…監禁と高利貸し目立つ=15年

マカオのカジノ売上が2014年6月から2015年12月まで19ヶ月連続で前年割れとなり、2015年の通期では前年から3割超の大幅なマイナスを記録した。地元市民の間では、カジノ市場の長期低迷が治安に与える影響について心配する声も聞かれる。

マカオの政府系放送局TDMのラジオニュースが報じた内容によると、マカオ司法警察局は1月26日午前に開催した新春座談会の中で、2015年の取り締まり状況についての総括を発表。カジノ関連犯罪件数が38%増の1553件に達したことが明らかになったとのこと。

内訳は監禁事案が366件、高利貸し事案が316件で、送検人数は1737人という。司法警察局が同年に送検した合計人数が3434人だったことから、実に半数を占める。

なお、司法警察局ではカジノ関連犯罪事案が急増したことについて、同局の主動的な取り締まりによるものが大部分で、かつ大多数がカジノ施設内で発生したものであり、一般社会の治安に対する影響はないと強調したとのこと。

昨今のマカオのカジノ売上低迷の背景にはマカオを訪れる大口ギャンブラーの減少があるとされ、高利貸しが借り手を見つけにくい状況の中、これまでよりも表立って活動し、広く集客をしているようだ。また、返済不能に陥った債務者に対する回収も一層厳しさを増していることから、監禁して返済迫る行為につながっているものとみられる。

マカオ司法警察局(資料)—本紙撮影

マカオ司法警察局(資料)—本紙撮影

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