マカオのカジノ内にギャンブル依存対策ステーション設置=旅行客の「隔離申請」にも対応

2002年のカジノ経営ライセンスの対外開放を機に世界一のカジノ都市へと急成長を遂げたマカオ。面積約30平方キロ、人口64万人の小さな街に、大小合わせて30以上ものカジノ施設が軒を連ねることから、日常生活の中でギャンブルと接触する機会も多いのが現状だ。

近年、マカオでもギャンブル依存への対策について社会的関心が高まっている。マカオ政府でギャンブル依存対策を担う社会工作局、カジノ監理部門の博彩監察協調局、マカオ大学コマーシャルゲーミング研究所の3機関は、2012年に動画やインタラクティブゲームを通じた啓蒙や本人によるカジノからの隔離申請ができる情報端末を開発。16ヵ所のカジノ施設及び2ヵ所のギャンブル依存対策窓口に計18台を設置し、これまでに延べ3万8千人が利用したという。

レスポンシブル・ゲーミング・キオスク設置記念セレモニーの様子=2月7日、スタジオ・シティ・カジノ(写真:マカオ政府社会工作局)

レスポンシブル・ゲーミング・キオスク設置記念セレモニーの様子=2月7日、スタジオ・シティ・カジノ(写真:マカオ政府社会工作局)

2月7日、マカオ・コタイ地区に昨年(2015年)10月27日にオープンしたIR(統合型リゾート)施設、スタジオ・シティのカジノフロア内にレスポンシブル・ゲーミング・キオスクと名付けられた最新版(第3世代)の情報ステーションが設置され、記念セレモニーが開催された。

従来型端末との最も大きな違いは、カジノからの隔離申請について、マカオ居民(マカオ居留権保有者)だけでなく、旅行客にも対応した点だ。旅行客でも隔離申請をすること自体は可能だが、有人窓口へ出向く必要があった。また、ギャンブル依存対策のカウンセリングサービスを提供する民間機構がレスポンシブル・ゲーミング・アンバサダーを配置し、プロモーション活動を展開するなど、インタラクティブプラットホーム化を目指したものとなる。

マカオ政府では、今回デビューした情報ステーションを別のカジノ施設にも展開していきたい意向とのこと。

レスポンシブル・ゲーミング・キオスクを前にスピーチを行うマカオ政府社会文化庁のアレクシス・タム長官=2月7日、スタジオ・シティ(写真:マカオ政府社会工作局)

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