マカオのカジノ業従事者減少…市場低迷長期化で人材需要後退=給与増は続く

マカオ政府統計調査局は3月7日、マカオ経済の屋台骨ともいえるゲーミング(カジノ)産業に関する昨年(2015年)第4四半期の人材需要及び給与統計を公表した。

第4四半期末時点のゲーミング業従事者数(カジノ仲介及び仲介パートナー、いわゆる「ジャンケット」除く)は前年同期比2.7%減の5万6217人で、このうちカジノディーラー職が4.4%減の2万4619人を占めた。また、全体の92.6%がシフト制勤務だった。

昨年12月のゲーミング業従事者全体の平均月額給与(ボーナス等除く)は4.6%増の2万1630パタカ(日本円換算:約30.9万円)、ディーラー職に限ると4.3%増の1万8780パタカ(約26.8万円)で、いずれもこれまでの右肩上がりの上昇を維持した。

第4四半期のゲーミング業界における求人数は前年同期と比較して379の減少となる462。求人は事務職、サービス職、販売職が中心で、カジノディーラー職はゼロだった。新規雇用数については同8割減の376人で、従業員採用率は2.7ポイント下落の0.7%。このほか、従業員離職率が0.8ポイント下落の1.8%、求人率が0.6ポイント下落の0.8%となるなど、ゲーミング業界における人材需要が後退していることが伺える。

マカオ全体の月次カジノ売上は、2014年6月から今年2月まで21ヶ月連続で前年割れとなっており、低迷が長期化の様相を呈している。マカオのカジノ売上減の理由として、中国本土富裕層を中心としたハイローラーと呼ばれるVIPカジノ客の流出が指摘されている。

なお、マカオの人口は64.7万人(2015年12月末)、労働人口は39.8万人(2015年11-2016年1月期)、失業率は1.9%(同)となっている。

マカオのカジノ(資料)—本紙撮影

マカオのカジノ(資料)—本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ金融管理局が5月10日に公表した今年(2024年)3月の住宅及び商業物件向けローン関連統計…
  2.  マカオでは、アフターコロナで市民生活の正常化とインバウンド旅客数の急回復が続く中、タクシーに対す…
  3.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  4.  このほどマカオ政府財政局が公表した最新の財政収支資料によれば、今年(2024年)1〜4月累計の歳…
  5.  マカオ治安警察局は5月9日、マカオ半島北部の新橋エリアにある宝飾品店から4000パタカ(日本円換…

ピックアップ記事

  1.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…

注目記事

  1.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun