マカオ・タイパ島の新フェリーターミナル、運用開始時期が2017年にずれ込む可能性=当初予定から4年遅延、予算は5倍に

マカオの大型インフラ整備プロジェクトのひとつで、マカオ・タイパ島の北安エリアで建設中のタイパフェリーターミナル(北安客運碼頭)について、開業時期のメドが立たない状態が続いている。

マカオのポルトガル語日刊紙ジョルナル・トリビューナ・デ・マカオがマカオ政府インフラ開発オフィス(GDI)及び海事・水務局への取材を元に報じた記事によると、すでにタイパフェリーターミナルの主要部分の工事は完了し、現在、施設インスペクションを行っている段階とのこと。ただし、今後、海事・水務局に引き渡した上でシステム導入及びテストを行う必要があるため、運用開始が2017年にずれ込む可能性があるという。

タイパフェリーターミナルは2005年に着工し、当初の運用開始予定は2013年中の予定だった。現在、同フェリーターミナルは簡素な仮施設での長期運用を余儀なくされている。

なお、建設費についても、当初予算では5.83億パタカ(日本円換算:約76.6億円)だったが、およそ5倍の32.8億パタカ(約466.9億円)にまで膨らむ見通し。もともとマカオ半島にある外港フェリーターミナルの補助的施設と位置付けられていたが、2006年に重要港へと格上げされ、2009年に拡張プランが決定。これに伴い、建築面積は約10万平米から約36万平米へ拡大したため、建設費が増大したもの。

タイパフェリーターミナルはマカオ国際空港の隣接地にあり、大型IR(統合型リゾート)集積エリアとして開発が進むコタイ地区にも近いことから、新たな海の玄関口としての役割に期待がかかる存在。

建設中のタイパフェリーターミナル(資料)=2012年12月―本紙撮影

建設中のタイパフェリーターミナル(資料)=2012年12月―本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ政府文化局(ICM)は5月8日、風雨シーズンの到来を受け、同月初旬からマカオの文化財建築物…
  2.  マカオ司法警察局は5月8日、犯罪組織による空路を利用した麻薬密輸の摘発を目的に、情報をもとにマカ…
  3.  マカオ政府統計センサス局は5月8日、2024年第1四半期(1〜3月期)の住宅価格指数を公表。 …
  4.  マカオでウィンマカオ(マカオ半島新口岸地区)及びウィンパレス(コタイ地区)の両カジノIR(統合型…
  5.  マカオ金融管理局は5月8日、今年第1四半期(2024年1〜3月期)のモバイル決済及びクレジットカ…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…

注目記事

  1.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun