マカオ、悪質タクシーの暗躍続く=4月の検挙数289件、ぼったくりと乗車拒否が全体の66%

近年、マカオでは一部の悪質なタクシードライバーによるぼったくりや乗車拒否が大きな社会問題となっている。消費者利益及び観光都市としてのイメージを著しく毀損する行為として警察と交通当局がパトロールを強化して臨んでいるものの、依然暗躍が続いている状況だ。

マカオ治安警察局は5月8日、今年(2016年)4月の違反タクシー取り締まり状況を公表。検挙数は前月から49件少ない289件で、このうちぼったくりが全体の35.3%に当たる102件、乗車拒否が同30.8%の84件で大半を占めた。なお、検挙数そのものは今年に入って以降で最小だったが、ぼったくりについては前月から増加している。

このほか、白タクの検挙数は35件だった。警察及び交通事務局はスマートフォン向けアプリを使った配車サービス「Uber(ウーバー)」についても白タクに相当するとしており、取り締まりの対象となっている。

マカオは面積約30平方キロメートルの小さな街だが、人口約64万人、年間訪マカオ外客数は約3000万人であるのに対し、タクシー総数はおよそ1080台にとどまっており、需要に追いついていないとの見方もある。また、現行法では違反タクシーに対する罰則が極めて甘いと指摘されており、罰則強化を盛り込んだ法改正の準備も進められている。

マカオ治安警察局による違反タクシーに対する取り締まりの様子(資料)=2015年2月(写真:GCS)

マカオ治安警察局による違反タクシーに対する取り締まりの様子(資料)=2015年2月(写真:GCS)

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