中国当局が非文明旅客対策に乗り出す=具体例に賭博参加入るもマカオのカジノは該当せず

中国における旅行ブームの拡大を受け、国内外を旅行する中国人旅客によるマナー違反(中国では「非文明行為」と呼ばれる)がしばしば世界各地の新聞紙面を賑わしている。

中国国家旅遊局は5月30日、旅行中及び旅行先において重大な非文明行為をした自国旅客を対象とした、いわゆるブラックリストの導入に関する文書を発出したという。新聞報道や一般からの投書などを元に関連当局が調査を行い認定されるとのことで、ブラックリストに名前が掲載されると、以降の航空機への搭乗や団体旅行への申し込みが制限されるというものだ。

中国メディアが報じた内容によれば、同文書では(1)航空機、車、船及びその他公共交通機関の秩序を乱す行為(2)公共環境衛生、公共施設の破壊(3)旅行先の社会風俗、民俗生活習慣に反する行為(4)賭博、売買春、麻薬への関与(5)自身及び第三者の生命財産の安全に関する指示、警告への不服従(6)生態環境の破壊、野生動植物保護規定違反(7)観光地の規定違反(8)観光秩序を厳重に混乱させる行為(9)その他の国務院観光主管部門が認定する社会に厳重な有害影響を及ぼす行為をした者をブラックリストに掲載すると明示しているとのこと。

マカオでは、非文明行為の1つとして「賭博」が入ったことが話題となっている。マカオは世界最大のカジノ売上を誇る観光都市であり、年間3000万人超という訪マカオ旅客のおよそ7割を占めるのが中国本土からの旅客だからだ。例えば、中国本土旅客がマカオのカジノで遊んだ場合、ブラックリストに載ってしまうものなのだろうか?

マカオ政府旅遊局のマリア・エレナ・セナ・デ・フェルナンデス局長は6月2日、香港で開催されたマカオ観光プロモーションイベントに出席した際、この疑問に対するメディアの取材に応じた。フェルナンデス局長によれば、マカオではカジノが制度化されており、マカオの認可カジノ施設における合法な賭博行為はマカオの法律に抵触しないため、非文明行為には当たらないとする認識を示した。

カジノチップとバカラのゲーミングテーブルのイメージ(資料)—本紙撮影

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