マカオの世界遺産・聖オーガスチン教会、一般公開再開は年末メド=天井崩落事故受け修復

先月(2016年5月)29日午後、マカオの世界遺産・聖オーガスチン教会で天井の一部(5メートル四方)が崩落する事故が発生。これを受け、同教会では一般公開中止が続いている。

マカオ政府で世界遺産を管轄する文化局(ICM)文化遺産廳の梁惠敏廳長は6月2日、地元放送局のラジオ番組に出演した際、現時点ですでに崩落部分の応急措置を終え、建物全体の検査を実施している段階であるとした上、修復作業の完了までにおよそ3か月かかることから、年末までの一般公開再開を目指していることを明らかにした。

また、同教会と構造が似たその他の歴史的建築物についても、聖アントニオ教会、ギア教会、聖ヨゼフ修道院(以上世界遺産)及び牛房倉庫の4つが潜在的危険にさらされているといい、局長直轄の専門チームが善後策を検討しているという。

ICMのウェブサイトによれば、聖オーガスティン教会の建物は1874年に大規模改修を経て現在の姿となり、主体構造はレンガ造り、天井部分は木造という。ICMでは、事故直前の風雨の影響で屋根の木骨部が大量の水分を含んだ状態となり、瓦の重みに耐え切れなかったことが原因との見方を示している。

マカオに30箇所ある世界遺産をめぐっては、今年(2016年)に入って以降、受難が続いている。1月25日に旧城壁の一部が何者かによって黄色い塗料で着色されたほか、2月5日に盧家屋敷が隣接する建物の壁面が崩落した影響で一部破損、2月10日には媽閣廟の正殿にあたる正覚禅林が電気系統のショートによる火災で重大な損傷を受けている。媽閣廟正覚禅林は現在も一般公開中止が続いている。

天井崩落事故翌日の現場を視察に訪れたICMの呉衛鳴局長=5月30日、聖オーガスチン教会(写真:ICM)

天井崩落事故翌日の現場を視察に訪れたICMの呉衛鳴局長=5月30日、聖オーガスチン教会(写真:ICM)

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