マカオ文化局が貴重な古籍の電子版第三弾リリース…歴史・文学・自然科学など多岐にわたる279種
- 2025/11/18 11:51
- ツーリズム
マカオ政府文化局(ICM)では、先人の知識と知恵を広く伝え、文化交流の促進につなげるため、管轄下にある図書館が収蔵する古籍について、現代のテクノロジーを活用してデジタル化し、古籍の自然光や空気などに長時間曝露されることによる損傷を防ぐと同時に、リモートでデジタルデータにアクセスして閲覧、研究できる利便性の向上を図る取り組みを2023年から段階的に進めている。
同局は11月14日、貴重な古籍の電子版第三弾として、主にポルトガル語と英語の古籍の計279種、280冊分をリリースしたと発表。

ジャンルは歴史、文学、教育、自然科学など多岐にわたり、いずれも高い史料価値を有するもので、サー・ジョン・フランシス・デービス編著『漢文詩解』(1834年)や、当時のマカオの名所写真を付し、都市計画構想を記録した『澳門及其未來港口(マカオとその未来の港)』(1922年)、1927年に襲来した台風時のマカオの状況を詳細に記録した『1927年8月20日的風災:亞美打•皮內羅中校的報告(1927年8月20日の風災:アルメイダ・ピニェイロ中佐の報告書)』、マカオ生まれのポルトガル人ジョゼ・ペドロ・ブラガによる著作で、19世紀末に香港の油麻地(ヤウマテイ)でパイナップルなどの果樹栽培を行った際の記録をまとめた『開拓香港的葡萄牙人:在九龍的園藝實驗(香港を開拓したポルトガル人:九龍における園芸実験)』(1930年)、1950年代のマカオにおける52種の食用魚を学名・漁獲期・中国語名を付記して紹介した議事公局で獣医を務めたジョゼ・ダ・シルバ・ビディガル編著の『澳門可食用魚類目錄(マカオ食用可能魚類目録)』(1959年)などが含まれるとのこと。
同局では、これまでに、清代劉承幹嘉業堂蔵書の清乾隆版『香山縣志(香山県志)』、ラテン語古籍『Regni Chinensis Descriptio』(『マテオ・リッチ中国札記』第一巻)(1639年)、さらに中国語・ポルトガル語・英語三言語の教科書などを電子化しており、マカオにおける教育発展史や文化交流、社会風貌の研究に資する貴重な資料を提供してきた。
第三弾を含む貴重な古籍の電子版は、マカオ政府文化局公共図書館公式サイト(https://www.library.gov.mo)などから閲覧できるという。
























