マカオカジノ管理当局、スロットマシン多様化による平場の伸長に期待感

マカオの月次カジノ売上は今年(2016年)6月まで25か月連続で前年割れを記録している。マカオのカジノといえば、高額チップが飛び交うVIPルームのイメージが強いが、昨今はVIPルーム部門からのカジノ売上が伸び悩んでいるためだ。一方、マスゲーミング部門(いわゆる平場)は小幅なマイナスにとどまっている。

マカオ政府は、将来的なカジノ産業のあり方として、従来のVIPルーム依存型からの脱却を図り、マスゲーミングを主とした健全なモデルに転換したい意向を示している。

マカオのカジノ管理当局にあたるDICJは7月13日に発出したプレスリリースの中で、パウロ・マルチンス・チャン局長によるマカオ経済の多元化及び持続可能な発展を求めるのであれば、カジノ産業は構造調整を実施する必要があるとのコメントを掲載。スロットマシンのラインナップの多様化により、カジノ売上におけるVIPルーム部門とマスゲーミング部門の割合が均衡に近づくとの考えを合わせて紹介した。

なお、チャン局長は先月(6月)21日、23日にかけてマカオにある2つの国際認可を有するスロットマシン認証機関、GLI及びBMMのラボを視察したとのこと。訪問先では認証試験の流れ、検査及び技術アプリケーションの最新動向などについて担当者から説明を受け、市場の将来性に関する意見交換を行ったといい、今回の視察を通じて官民で連携を密にしながらマカオのスロット技術スタンダードの向上を図り、競争力と品質を志向する考え方を共有できたとしている。

また、GLI及びBMMの2社は、政府がカジノ運営企業に対してマスをターゲットとした事業の比重を高めるよう求めたことについて十分支持すると表明し、スロットマシンがマカオを訪れる旅客に対してライトなレジャー・エンターテイメント体験を提供できる存在としてマスゲーミング部門の発展に寄与できるとの考えを示したという。

DICJの最新データによると、今年第1四半期末時点のマカオのゲーミング(カジノ)テーブル台数は6087台、スロットマシン台数は1万4297台となっている。

スロットマシン認証機関のラボを視察するDICJのチャン局長(右から2人目)(写真:DICJ)

スロットマシン認証機関のラボを視察するDICJのチャン局長(右から2人目)(写真:DICJ)

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