マカオで悪質タクシー横行…ぼったくりと乗車拒否による検挙数が全体の約9割占める519件=17年1月

近年、マカオでは一部の悪質なタクシードライバーによるぼったくりや乗車拒否が大きな社会問題となっている。消費者利益及び観光都市としてのイメージを著しく毀損する行為として警察と交通当局がパトロールを強化して臨んでいるものの、依然暗躍が続いている状況だ。

マカオ治安警察局は2月8日、今年(2017年)1月の違反タクシー及び白タクに対する取り締まり状況を公表した。

今年1月の違反タクシーの検挙総数は589件で、このうちぼったくりが357件、乗車拒否が162件あり、検挙数全体の87.5%を占めた。このほか、タクシー乗り場において行列順を守らず客を載せる事案が4件、その他の違反が66件あった。

なお、実際には泣き寝入りなどもあるとみられ、統計に表れない悪質タクシーによる被害が相当数あると予想される。

ちなみに、昨年通期の違反タクシーの検挙総数は4152件、このうちぼったくりが1713件、乗車拒否が1413件あり、検挙数全体の75.3%を占めた。今年1月の検挙総数、ぼったくり、乗車拒否による検挙数は、いずれも昨年の月平均を上回っている。

マカオは面積約30平方キロメートルの小さな街だが、人口約65万人、年間訪マカオ外客数は約3000万人であるのに対し、タクシー総数はおよそ1千台にとどまっており、需要に追いついていないとの見方もある。

現行法ではぼったくりや乗車拒否といった違反についてのドライバーへのペナルティが1000パタカ(日本円換算:約1万4000円)の罰金のみという極めて甘い内容であることも指摘されており、罰則強化を盛り込んだ法改正の準備も進められている。

また、今年1月のいわゆる白タクの検挙総数は186件で、このうち173件が配車アプリを使ったサービスだったという。世界各地でスマートフォン向け配車サービスを展開する「Uber(ウーバー)」が一昨年10月にマカオ進出を果たしたが、警察及び交通事務局は同サービスについて白タクにあたるとの見解を示し、取り締まりの対象とする方針を打ち出している。

マカオ治安警察局による違反タクシーに対する取り締まりの様子(資料)=2015年2月(写真:GCS)

マカオ治安警察局による違反タクシーに対する取り締まりの様子(資料)=2015年2月(写真:GCS)

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