マカオ警察、紙幣偽造容疑で公立学校職員逮捕…カジノ両替所で発覚

マカオ司法警察局は7月5日、紙幣偽造及び偽造紙幣行使の疑いでマカオの公立職業技術学校に勤務するマカオ人の男(28)を逮捕したと発表した。警察では、被疑者が学校の備品を使用して紙幣の偽造を行なっていた疑いが強いとしている。

事件発覚のきっかけとなったのは、コタイ地区にあるカジノ施設内のゲーミング(カジノ)チップ両替所だ。同月2日、カジノ施設から中国本土出身の女(37)が偽造の500パタカ紙幣2枚を使用したと通報があったという。女に事情を聞いたところ、マッサージの仕事をしており、当該紙幣は客の男から報酬として受け取ったものだと説明したことから、客の行方について捜査を開始。まもなく、男の身元の割り出しに成功し、翌3日に身柄の拘束に成功。男の自宅及び勤務先を捜索したところ、総額30万パタカ分にも及ぶ大量の500パタカ紙幣及び偽造紙幣の製造に使用したとみられる機器が発見された。偽造紙幣の完成度は中程度だったとのこと。警察では、被疑者を紙幣偽造及び偽造紙幣行使の罪で送検する方針。

なお、偽造紙幣でマッサージの報酬を支払い、店舗や銀行窓口で偽造が発覚する同種の事件が昨年(2017年)9月から12月までに4件確認されており、被疑者との関連についても調べを進めるとしている。

公立学校職員の逮捕を受け、5日午後にマカオ教育青年局が緊急記者会見をおこなった。当該職員は勤続2年で、主に学内のサーバー管理業務に従事していたとのこと。すでに懲戒手続きを開始しており、速やかに予防性停職処分を下すとした。

500パタカ紙幣はマカオ流通紙幣の中で1000パタカ紙幣に次ぐ2番目の高額紙幣となる。500パタカは日本円換算でおよそ6800円。

マカオ司法警察局が押収した大量の偽造500パタカ紙幣及び紙幣偽造に使われたとみられる機器類=2018年7月5日(写真:マカオ司法警察局)

マカオ司法警察局が押収した大量の偽造500パタカ紙幣及び紙幣偽造に使われたとみられる機器類=2018年7月5日(写真:マカオ司法警察局)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  2.  マカオ治安警察局は7月26日、マカオ警察総局による指揮の下、マカオの良好な治安環境の保護・維持を…
  3.  ユネスコのアジア太平洋地域世界遺産研修研究所は7月23日、第46回国連大会が開催中のインド・ニュ…
  4.  マカオ司法警察局は7月25日、マカオで覚醒剤の密売したとしてタンザニア人旅客の20代の男を逮捕し…
  5.  マカオ治安警察局は7月25日、カジノ施設が集積するマカオ半島新口岸地区にあるスーパーマーケットで…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  2.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  3.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  4.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…

注目記事

  1.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  4.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年8月号
(vol.134)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun