マカオのカジノが33時間にわたり全面閉鎖…超大型の台風22号襲来で史上初の措置=9月17日午前8時に再開

9月16日に超大型の台風22号(国際名:マンクット)がマカオに最接近し、最高レベルの台風及び高潮警報となる「台風シグナル10」「黒色高潮警告」が長時間にわたって発令された。

マカオ政府衛生局の同日午後9時時点のまとめによると、今回の台風による負傷者は17人で、うち高齢者1人が骨折の重傷、その他16人は中程度から軽度のケガという。

また、マカオ半島内港エリアを中心に、海抜の低い地区で浸水被害が発生。マカオ市内の公共交通機関、マカオと香港及び中国広東省各地を結ぶ高速フェリー、マカオ国際空港を発着する航空便がほぼ終日にわたり運休となったほか、マカオと中国広東省珠海市を結ぶ陸路のイミグレーション施設も閉鎖となった。

さらに、かつては「雨が降ろうが、嵐が吹こうが」と形容されるように、天候に左右されず年中無休の営業体制を維持してきたカジノ施設についても、台風接近に伴う客と従業員の安全を確保するため、マカオ政府とカジノ運営会社の協議により、15日午後11時から全面閉鎖することが決まった。台風が遠のいたことから、17日午前8時に再開が予定されている。

マカオのカジノはマカオ政府とコンセッション(経営権契約)を結ぶ6社によって運営されており、市内に約40のカジノ施設が軒を連ねる。マカオのカジノ施設が全面閉鎖となるのは、2002年に現行のコンセッションが締結されて以来、初めてのこととなる。

マカオでは、昨年8月23日にも50年に1度の規模とされる超大型の台風13号(ハト)の襲来があり、人的、物的に甚大な被害が発生。この際、一部のカジノ施設が浸水や停電の影響を受け、混乱が生じた。被災を教訓に、災害に強い街づくりが進められていると同時に、市民の防災意識も高まっている。

台風22号の影響で1メートル規模の浸水被害が出た内港エリア一帯=2018年9月16日(写真:GCS)

台風22号の影響で1メートル規模の浸水被害が出た内港エリア一帯=2018年9月16日(写真:GCS)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ政府統計・センサス局が4月26日に公表した資料によれば、今年(2024年)3月の総合消費者…
  2.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  3.  マカオ司法警察局は4月26日、前月(3月)コタイ地区の統合型リゾート(IR)併設カジノ場内にある…
  4.  澳門海關(マカオ税関)は4月26日、世界知的所有権機関(WIPO)が制定した「世界知的財産の日(…
  5.  マカオにとって最大の旅客ソースとなる中国本土では5月1日から5日までが5連休(「五・一」労働節ゴ…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  2.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…

注目記事

  1.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  2.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  3.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun