マカオ税関が中国本土からの密航事案相次ぎ摘発…木造船に蛇頭2人と密航者3人

マカオ税関(澳門海關)は10月4日、同月2日未明に2つの密航事案を相次ぎ摘発し、2人の蛇頭と3人の密航者を逮捕、送検したと発表した。

最初の事案は2日午前3時頃に発生。税関の沿岸巡視員がタイパ島沖の新興埋立地「E2区」付近の海上から陸地へ向かう不審なプラスティック製のボートを発見。高速巡視艇に連絡し、不審船の臨検を行ったところ、3人(蛇頭1人、密航者2人)が乗っており、いずれも明確な密航の意図が確認されたという。

2つ目の事案は同午前4時頃に発生。中国広東省の珠海沿岸警備当局からマカオ税関に対してマカオ半島沖の新興埋立地「A区」付近の海上に不審なラバーボートを発見したと通報があり、高速巡視艇を現場に向かわせたところ、当該不審船を発見。臨検を行ったところ、2人(蛇頭1人、密航者1人)が乗っており、密航を企図していたことが判明。

税関の調べによると、5人はいずれも中国本土出身、性別は男で、年齢は24〜40歳とのこと。

マカオは1999年にポルトガルから中国に返還されたが、以降も独自の出入境管理を行っている。中国本土籍の旅客がマカオを訪れる際、香港マカオ往来通行証と呼ばれる渡航証とビザに相当する渡航許可を取得するのが一般的だが、およそ2〜3ヶ月に1回7日間といったかたちで一定期間内の入境回数や滞在日数などに制限が設けられていることなどから、違法な就労や賭博、観光などを目的とした密航やオーバーステイが後を絶たない。不法行為を手引きする蛇頭も暗躍し、超過滞在者の隠れ家となる違法宿泊施設の存在なども社会問題化している。

マカオ検察院に送致された蛇頭と密航者の5人(写真:澳門海關)

マカオ検察院に送致された蛇頭と密航者の5人(写真:澳門海關)

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