マカオの新IR「ザ・ロンドナー」2020〜21年にかけ順次オープン…米サンズ系=約2420億円投じ既存施設をリノベ

米ラスベガスサンズ社と同社グループでマカオ事業を担うサンズチャイナ社は5月8日、マカオ・コタイ地区で計画中の新IR(統合型リゾート)プロジェクト「ザ・ロンドナー・マカオ(澳門倫敦人)」に関する発表会を開催。サンズリゾートマカオのブランドアンバサダーを務めるデビッド・ベッカム氏も登壇し、会場を沸かせた。

ザ・ロンドナーは2012年にオープンしたIR「サンズコタイセントラル」の大規模リノベーション及び一部拡張によるリブランド。リゾートのシンボルとしてロンドンのアイコン的存在となる時計塔(通称:ビッグ・ベン、正式名称:エリザベスタワー)を実物大(高さ93メートル)で再現するほか、内外観を英国調に統一する。また、現在のホリデイイン・マカオ・コタイセントラルは全室スイート仕立ての高級ホテル「ザ・ロンドナー・ホテル」(594室)として生まれ変わり、デビッド・ベッカム氏がプロデュースを手がける「デビッド・ベッカム・スイート」も用意される。このほか、複数の飲食店や6000席規模の多目的アリーナ等が新たに加わるという。

投資額はおよそ22億米ドル(日本円換算:約2420億円)で、工事はすでに始まっており、2020年から2021年にかけて段階的にオープンするとした。

サンズチャイナはコタイ地区で「ザ・ヴェネチアン」、「ザ・パリジャン」というヨーロッパの人気観光都市をテーマにした大型IRを運営している。今回、ロンドンをテーマとしたことについて、サンズチャイナ社のウィルフレッド・ウォン社長は、マカオにおける同業間の競争が激しい中、キャッチーな建物は昨今のセルフィー時代に合っており、ヨーロッパの都市をテーマにした既存の2つのIRにおいて顧客獲得の大きなアドバンテージになったとし、知名度と人気が高くイメージもしやすいロンドンを選んだと述べた。ロンドンらしいダブルデッカーバスやロンドンタクシー、電話ボックスなど、ロンドンに来たかのような気分になれるよう、ディテールにもこだわって施設を作り上げていくとのこと。

「ザ・ロンドナー・マカオ」発表会に登壇したデビッド・ベッカム氏=2018年5月8日、マカオ-本紙撮影

「ザ・ロンドナー・マカオ」発表会に登壇したデビッド・ベッカム氏=2018年5月8日、マカオ-本紙撮影


「ザ・ロンドナー・マカオ」外観イメージ(写真:Sands China Limited)

「ザ・ロンドナー・マカオ」外観イメージ(写真:Sands China Limited)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオで複数のカジノIR(統合型リゾート)を運営するサンズチャイナ社は7月25日、今年第2四半期…
  2.  マカオ・コタイ地区にある東亜運動会体育館(通称:マカオドーム)で7月26日午後、マカオ警察総局と…
  3.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は7月26日、今年第2四半期(2024年4〜6月期)の雇用…
  4.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  5.  マカオ治安警察局は7月26日、マカオ警察総局による指揮の下、マカオの良好な治安環境の保護・維持を…

ピックアップ記事

  1.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  4.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  5.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年8月号
(vol.134)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun