マカオのカジノで発生した約4320万円分チップ強盗事件の容疑者逮捕…中国本土出身の男女4人

マカオ司法警察局は5月25日未明、前日午前5時すぎにコタイ地区にあるIR(統合型リゾート)ザ・プラザ・マカオ併設のカジノ施設でゲーミング(カジノ)で発生したチップ強盗事件の容疑者逮捕に成功したとして、緊急記者会見を開催した。

警察発表によれば、容疑者は4人(男3人、女1人)。このうち、カジノ入口の警備員とゲーミングテーブルを担当していたディーラーに対して催涙スプレーを噴射して襲い、テーブルにあった額面10万ドルのチップ31枚、計310万香港ドル(日本円換算:約4320万円)分のチップを奪った実行犯とみられる男2人は、犯行後すぐに現場を離れ、タクシーを乗り継ぎ、服装を変えながらマカオ半島北部の關閘イミグレーションへ移動し、広東省珠海市へ出境したが、同時並行で身元の割り出しを進め、その情報を提供した中国公安当局が同市内で逮捕したとのこと。実行犯は移動の途中にマカオ半島中区のファストフード店で仲間とみられる女にチップを引き渡していたことが確認されたという。

また、警察が「スカイアイ」と呼ばれる公共エリア監視システムでチップを受け取ったとみられる女の行方を追跡。この女がコタイ地区にあるIR併設ホテルに宿泊していたことが判明。その後、客室内で仲間の男にチップを受け渡すタイミング際に両者を逮捕したという。女は一部のチップをカジノで使ったほか、現金化しており、逮捕時に残っていたチップは290万香港ドル(約4040万円)分だったとのこと。

なお、実行犯の男のうち1人が前日に女装して現場を訪れていたことも判明。犯行にかかった時間はわずか2〜3分で、司法警察局が事件を認知したのは発生から10分以内だったとした。

マカオ司法警察局(資料)—本紙撮影

マカオ司法警察局(資料)—本紙撮影

マカオのカジノ施設でテーブルゲームに参加する際、現金ではなくゲーミングチップを使用する。ゲーミングチップは少し分厚いコインのような形をしており、額面によって色やデザインが異なるが、いずれも小さく軽い。

ゲーミングチップはカジノフロアにあるキャッシャーと呼ばれるカウンターで額面の現金と交換することができる。つまり、現金そのもの。マカオのカジノでは、しばしばゲーミングチップを狙った犯罪が発生している。

マカオの面積はおよそ32平方キロ。この小さな地域に、大小合わせて約40軒ものカジノ施設が軒を連ねる。中でも、コタイ地区は大型IR集積エリアとして知られる。

カジノチップ強盗事件があったマカオ・コタイ地区のIR(資料)-本紙撮影

カジノチップ強盗事件があったマカオ・コタイ地区のIR(資料)-本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は4月26日、今年第一四半期(2024年1〜3月期)の雇用…
  2.  マカオの公共路線バスで4月25日午前0時から中国本土版のアリペイ、香港版のアリペイ、マカオ以外の…
  3.  近日、マカオを含む中国華南の珠江デルタ地域では大雨が続いている。  マカオ政府海事・水務局…
  4.  マカオ貿易投資促進局(IPIM)は4月24日、マカオにおけるMICE誘致状況のアップデートを明ら…
  5.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…

注目記事

  1.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  4.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun