マカオギャンブル監理当局がマカオのカジノ施設を利用してオンラインゲーミング及びテレベットをプロモートしないよう業界へ呼びかけ

およそ40のカジノ施設が軒を連ね、世界最大のカジノ売上を誇る地域として知られるマカオ。カジノ以外にも、競馬、サッカー及びバスケットボールを対象としたスポーツくじ、ロトといった各種ギャンブルが存在し、政府とコンセッション(経営権契約)を結ぶ民間事業者によって運営されている。

マカオではオンラインインタラクティブゲーミング(いわゆるオンラインカジノ)の経営権は存在せず、マカオのカジノ運営ライセンスを保有する6陣営はランドカジノのみを運営している。

マカオ政府でギャンブル監理を担当する博彩監察協調局(DICJ)は7月10日、近日、中国本土のメディアが「マカオのカジノ仲介業者がマカオ域外においてオンラインカジノプラットフォームを経営している」と報道したことを受け、カジノ運営企業の幹部とカジノ仲介業者団体の代表を招集した緊急会合をそれぞれ開催し、監督下にあるカジノ仲介人に対して必ず法令を遵守することを促すよう呼びかけた。

会議において、DICJの陳達夫(パウロ・マルチンス・チャン)局長は、マカオ域内においてオンラインゲーミングに関するいかなる行為の実施は刑事犯罪となる可能性を有するとし、政府として業界がマカオのカジノ施設をプラットフォームとしたオンラインゲーミング、テレベット等のプロモーション活動を許容することはできないことを強調。

カジノ運営企業に対して、属下のカジノ施設でサービスを提供するカジノ仲介人に対する監督を厳格化し、不法分子によるマカオのカジノを利用してオンラインゲーミングやテレベットのプロモーションを予防し、もしそのような違法行為を発見した場合には、即座に同局へ通報するよう呼びかけた。また、カジノ仲介業者団体に対しても、法令遵守の厳格化を徹底するよう求めたという。カジノ運営企業、カジノ仲介業者団体とも、これに呼応する旨の回答をしたとのこと。

DICJでは、カジノ業界の動向を注視するとともに、緊密なコミュニケーションを維持し、市民及び旅客に対する違法なオンラインゲーミングの取り締まりに関する情報発信を強化して臨むことで、マカオのゲーミング行の健全かつ秩序ある発展を推し進めていくとしている。

DICJとカジノ仲介業者団体代表との会議の様子=2019年7月10日(写真:DICJ)

DICJとカジノ仲介業者団体代表との会議の様子=2019年7月10日(写真:DICJ)

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ司法警察局は6月30日、客との共謀による不正行為でカジノ運営企業からゲーミング(カジノ)チ…
  2.  マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)は7月1日、今年(2025年)6月の月次カジノ売上(粗収益、…
  3.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は6月30日、今年(2025年)3〜5月期の雇用統計を公表…
  4.  中国では、東京電力福島第一原子力発電所からの「ALPS処理水」の海洋放出をきっかけに、2023年…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は6月26日、中国旅遊研究院が発表した「2024年中国ツーリストアウ…

ピックアップ記事

  1.  今年(2025年)に入って以降、マカオ政府が新交通システム「マカオLRT」の新路線計画を相次いで…
  2.  仏ミシュラン社は3月13日、香港・マカオでも高い知名度と信頼性を誇る人気グルメガイド「ミシュラン…
  3.  マカオ政府は6月9日午後5時からマカオ政府本部ビルで特別会見を行い、SJMリゾーツ社、メルコリゾ…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月29日、国際旅客誘致策の一環として昨年(2024年)実施した香…
  5.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…

注目記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  4.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…

イベントカレンダー

7月 2025
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31    
« 6月   8月 »
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2025年7月号
(vol.145)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun