コタイジェット12%値上げ申請―コスト高

サンズチャイナ社傘下のコタイジェットが運営コストの持続的上昇に伴い、昨年10月平均12%の値上げ申請を政府に対して提出したという。

6日付地元有力紙「澳門日報」が報じた。サンズチャイナ社及びコタイジェットの運営管理を行う珠江船務によると、2007年の就航以来の5年間を通じて赤字が続いており、11年に値上げを実施したものの状況は完全に改善できていないという。現在、燃油、従業員給与、メンテナンス費用が持続して上昇しているため、サービス品質の維持のためにも政府による早期の値上げ申請許可を切望するとしている。

両社の担当者によると、12年の営業コストは前年と比較して2桁増とのこと。ここ2年では燃油費の負担が大きく、営業コストの4割程度を占める。燃油価格は07年から2倍にまで膨らんだ上、市場予測では今後も上昇基調にあるという。650人以上いる従業員の給与についても、毎年平均5%のベースアップがあり、今年もまた調整を予定しているとのこと。就航後5年が経ち、船のメンテナンス費用も増加しており、為替の関係からオーストラリア製の船にかかるメンテナンス用パーツ費用も上昇しているという。

11年9月に実施した値上げは07年の就航後初となるもので、値上げ幅は券種により10-13%だった。しかし、コスト増を賄い切れていないことから、昨年(12年)10月に再度平均12%の値上げ申請を行ったという。なお、マカオ市民向けのプロモーションとして券種により11-14パタカ/香港ドルの割引も予定しているといい、いずれ15パタカ/香港ドルにまで割引を拡大したいとの意向もあるという。

コタイジェットは07年の就航以来、累計3,000万人の輸送実績があるという。12年の旅客数は約750万人で、マカオを出発するフェリーの3分の1を占める。現在、ピーク時は110本/日、平時は80本/日を運航する。

タイパフェリーターミナルに停泊中のコタイジェット(資料)―本紙撮影

タイパフェリーターミナルに停泊中のコタイジェット(資料)―本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  澳門海關(マカオ税関)は12月6日、マカオ警察総局による指揮の下、各保安部門が地域社会の良好な治…
  2.  冬のマカオの街を美しく彩る毎年恒例のイルミネーションイベント「ライトアップマカオ2024(中国語…
  3.  マカオ政府が経済ダイバーシティ化の一環、また「舞台芸術の都」を築く目標に沿ってコタイ地区の南東部…
  4.  マカオ政府統計・センサス局は12月6日、今年(2024年)8〜10月の住宅価格指数を公表。 …
  5.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」の新線「横琴線(…
  2.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  3.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  4.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  2.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun