マカオ、食肉処理場から牛が脱走して市街地を駆け回る…麻酔使い捕獲>売り物にならず>マカオ政府が引き取り飼育へ

 12月4日午前10時頃、マカオ半島北部の青洲地区にある食肉処理場から牛1頭が脱走し、市街地を駆け回る事件が発生。この牛を所有する会社のスタッフのほか、警察、消防、動物行政を管轄する政府市政署(IAM)所属の獣医が出動して対応にあたり、最終的に捕獲することに成功したが、牛の運命は大きく変わる結果となった。

 捕獲作戦は、まず公衆を巻き込む危険性を除去するため、道路から空き地へ追い込むところからスタート。その後、獣医が複数回にわたって麻酔を注射し、落ち着くのを待ってから縄で縛って捕獲し、食肉処理場へ連れ帰ったという。

 牛の運命が大きく変わったのはここから。事件が一段落した後、牛の所有者は麻酔注射をした牛について、安全性を考慮して食用として流通させない方針であることをIAMに伝達。所有者とIAMが協議を行った結果、動物愛護的配慮として、この牛をIAMが引き取ることでまとまったという。IAMによれば、しばらくの間は食肉処理場で飼育するが、準備が整い次第、市民と触れ合えるような適切な場所へ移す予定とのこと。

 なお、牛は柵を乗り越えて脱走したといい、IAMは食肉処理場の運営会社に対して再発防止を徹底するよう要請したという。

食肉処理場から脱走した牛の捕獲作戦の様子=2019年12月4日(写真:IAM)

食肉処理場から脱走した牛の捕獲作戦の様子=2019年12月4日(写真:IAM)

 IAMでは、牛が市街地を逃走中に、複数の自動車と接触した可能性があることについて、保険会社による賠償の対象となるかを審査する必要があるとし、被害を受けた可能性のある自動車の所有右車に対して、写真等の資料を添えて市政署に申し立てを行うよう呼びかけた。

 この牛は、マカオの特産品になる予定だったという。牛を使った特産品といえば、ビーフジャーキーが有名だ。

 実は、マカオではおよそ30年前にも同様のケースが存在した。マカオ半島の福隆新街にあったレストランの中の小さな檻で飼われていた当時1歳のツキノワグマが市政庁(IAMの前身)によって救出され、公園で飼育・展示されることに。このツキノワグマはBOBOと名付けられ、昨年11月に老衰で亡くなるまで、長年にわたって市民に愛された。

捕獲され食肉処理場へ連れ戻される牛=2019年12月4日(写真:IAM)

捕獲され食肉処理場へ連れ戻される牛=2019年12月4日(写真:IAM)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ治安警察局の発表によれば、4月19日から同日からポルトガルとシンガポールのパスポート保有者…
  2.  マカオ司法警察局は4月19日、同月17日にマカオの公共の場所でフィリピン人とみられる男らが集まっ…
  3.  マカオ・コタイ地区にあるギャラクシーアリーナで開催中の「ITTF(国際卓球連盟)男女ワールドカッ…
  4.  このほど、マカオ・コタイ地区にある統合型リゾート(IR)ギャラクシーマカオのファミリープログラム…
  5.  マカオ政府統計センサス局(DSEC)は4月19日、2023年環境統計を公表。同年のマカオの陸地面…

ピックアップ記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  3.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年4月号
(vol.130)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun