マカオで新型コロナウイルス感染例を初確認…中国・武漢からの女性旅客、カジノなどに滞在
- 2020/1/22 13:17
- 社会・政治
中国・湖北省武漢市で集団発生している新型コロナウイルスによる肺炎につき、中国本土からのインバウンド旅客が多いマカオでも感染拡大に対する懸念が高まっている。
マカオ特別行政区政府は1月22日午前11時から政府本部で緊急記者会見を開き、同日マカオで新型コロナウイルス感染例が初確認されたと発表。
政府発表によれば、患者は武漢からマカオを訪れていた52歳の女性で、現在マカオ半島にある大型総合病院の仁伯爵綜合醫院(通称:山頂醫院)で隔離治療を受けており、容体は良好という。
患者は1月19日に武漢から高速鉄道を利用してマカオに隣接する広東省の珠海へ到着し、マカオ半島北部にある關閘イミグレーション(通称:ボーダーゲート)から陸路マカオ入り。マカオ入境後、關閘イミグレーション施設前にあるバスターミナルから、マカオ半島新口岸地区にあるランドマークホテル併設カジノの無料シャトルバスを利用。ホテルで友人2人と会い、チェックインした後、食事のため近くのレストランへ出かけた以外は、ずっと併設のカジノでバカラに興じていたとのこと。
その後、患者は21日午後6時頃、喉の痛みを訴えて仁伯爵綜合醫院を受診。この際、発熱はなかったが、咳の症状が出て1週間と説明し、高リスク患者に分類され、即時隔離措置が講じられた。22日午前2時、2度の検測を経て、患者の新型コロナウイルス感染が確認されたとした。
マカオ政府衛生局では、すでに患者とマカオで会った2人の友人と連絡を取ることに成功し、密接接触者として経過観察のため隔離したとのこと。その他の接触者に対する追跡も進められているという。
マカオ政府では、域内で感染例が確認されたことを受けて対策レベルを引き上げるとし、役所入口における訪問者に対する体温検査の実施、カジノ従業員に対するマスク着用要請、全イミグレーション施設において入境旅客に対する健康申請書の提出義務導入などを打ち出した。