マカオ、自宅での新型コロナ隔離検疫を不可に…指定ホテルに限定

 マカオ政府衛生局は3月19日午前、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行地からの入境者に対して実施している政府指定場所での強制検疫(隔離下における14日間の医学観察措置)について、例外なく指定ホテルでの実施に変更したことを明らかにした。

 これまでは、中リスクの国・地域からの入境者で、間取りなど一定の条件を満たした場合に自宅も可としていた。近日、流行が拡大している中、中リスクとされる地域においても状況が悪化していることを反映し、より厳格な措置を講じたという。

 マカオ政府は海外からの輸入症例に対する警戒を強め、今週に入って以降、相次いで入境制限を強化している。17日午前0時から過去14日以内に外国(中国本土・香港・台湾を除く)に滞在したすべての入境者に対して隔離下における14日間の医学観察を必須とし、18日午前からは非居民(マカオ居民IDカード保有者、中国本土・香港・台湾の居民、「ブルーカード」と呼ばれるマカオで就労許可(就労ビザ)を得た者に発給される身分証を保有者以外)の入境が禁止に。さらに、19日午前0時からは前日の措置で入境禁止の対象外だった「ブルーカード」保有者が禁止対象へ変更された。

 隔離場所となる指定ホテルは政府が借り上げたもので、近日外国からマカオへ戻る人が増える中、1月30日から使われているコタイ地区の「ポウサダ・マリーナ・インファンテ」のほか、17日からマカオ国際空港に隣接する「ゴールデン・クラウン・チャイナ」、19日からタイパ島の「リージェンシー・アート・ホテル」が加わり、3軒体制に。3軒の客室数合計はおよそ1000室。政府旅遊局によれば、ホテルでの医学観察の対象となる人は無症状で感染者と密接接触がない人に限られ、1日1日2回の検温、電話による体調の確認が行われ、発熱や疑わしい症状が現れた場合、即時に医療機関へ搬送して詳しい検査をすることになっているという。今後も対象者が増えることも予想され、当局がホテルの選定を進めている。なお、3軒のうちカジノを併設しているのはリージェンシー・アート・ホテルのみで、カジノ規制当局が19日午後3時(現地時間、以下同)に防疫対策への協力を理由として施設をクローズするよう要求したとのこと。

 本稿執筆時点(3月19日午後3時20分)のマカオにおける累計患者数は17人。2月4日までに武漢からの旅客が7人、マカオ人が3人の感染が確認されて以降、40日間にわたって新規感染確認ゼロが続いたが、今週に入って以降、中国以外の海外からの輸入症例が相次いでいる。2月4日以前の感染確認者については、3月6日までに全員が治癒し退院済みで、重症化、死亡、院内感染例はいずれもなかった。

マカオ政府衛生局(写真:GCS)

マカオ政府衛生局(写真:GCS)

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