マカオで今年3人目の在郷軍人病感染者確認…患者は慢性疾患持つ84歳マカオ人男性、潜伏期間中に海外渡航歴なし

 マカオ政府衛生局は3月31日夜、マカオで今年(2020年)3人目となる在郷軍人病(退役軍人病、レジオネラ肺炎)感染者を確認したと発表。

 SSMが発出したプレスリリースによれば、患者はリタイヤ生活を送るマカオ人男性(84)で、長期にわたって慢性疾患を持っているとのいう。3月26日に胸の圧迫感と息切れ、28日には発熱を伴い症状が悪化したため、大型総合病院の鏡湖醫院救急外来を受診し、即入院となった。その後、30日に胸部X線検査で両肺の肺炎がわかり、敗血症性ショック症状も現れ、31日に尿中レジオネラ抗原検査で陽性反応が出たことから、在郷軍人病に感染していることが診断された。目下、患者の容体は危篤状態にあり、集中治療室にいるとのこと。

 なお、患者は3月6日から22日まで慢性疾患で同院に入院歴があり、退院後は自宅で長時間にわたって呼吸器を使用していたという。潜伏期間中の海外渡航歴はなかった。同居の家族らに類似の症状は見受けられないとのこと。

 在郷軍人病はレジオネラ菌が引き起こす伝染病の一種で、菌を含む水が空調などを通じて飛散することによる空気感染すると考えられている。病名の由来は1976年に米国フィラデルフィアで開催された在郷軍人大会で集団発生したことによる。レジオネラ菌は多様な環境下に存在するが、20〜45℃の温水で成長しやすく、水のタンク、スパプール、噴水、家庭で用いられる医療用吸入器などから見つかることも多いとのこと。症状としては、発熱、空咳、呼吸困難、倦怠感、頭痛、筋肉痛、腹痛、下痢などが挙げられ、抗生物質による治療が可能とのこと。マカオで確認された在郷軍人病感染者数は一昨年(2018年)が5人、昨年は2人だった。

マカオの大型総合病院として知られる鏡湖醫院(資料)-本紙撮影

マカオの大型総合病院として知られる鏡湖醫院(資料)-本紙撮影

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