マカオの実質GDPが67.8%減…2020年第2四半期=新型コロナの影響甚大

 マカオ政府統計調査局は8月21日、今年第2四半期(2020年4〜6月期)の域内総生産(GDP)を公表。

 今年第2四半期の実質GDPは前年同期から67.8%の大幅減。減少幅は今年第1四半期の48.7%減から一層拡大した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)防疫措置が維持される中、今年第2四半期のツーリズムサービス輸出の減少幅が92.3%にまで拡大し、このうちゲーミング(カジノ)サービス輸出とその他ツーリズムサービス輸出が97.1%、93.9%のそれぞれ減、貨物輸出も26.4%減となった。

 今年第2四半期のGDPデフレーターは前年同期から0.6%上昇。

 今年第2四半期、マカオ域内における新型コロナの流行状況は落ち着き、経済活動が徐々に再開された。期内にマカオ政府が内需拡大のための消費補助計画を打ち出し(政府補助の16.2億マカオパタカ(日本円換算:約214億円)が政府最終消費支出に反映)、これが効果を発揮したことで、マカオ居民のマカオにおける最終消費支出の下落幅は9.8%まで縮小。一方、各地が防疫対策の一環として入境制限を設けたことで、マカオ居民の外地における最終消費支出は71.2%減。総体個人消費は前年同期から16.5%減だった。

 新型コロナ防疫対策のため、政府が防疫装備品及び医療物資の購入、隔離検疫のためのホテルの借り上げ、消費補助計画等の様々な経済援助措置を講じたことで、政府最終支出の増加幅は今年第1四半期の5.0%から14.0%に拡大。このうち貨物・サービス購入の正味購入額は34.5%増、スタッフ報酬は2.3%増だった。

 固定資産投資の減少幅は今年第1四半期から大幅縮小に転じ、前年同期比8.1%減に。建設及び設備投資は4.6%、23.9%のそれぞれ減。政府がインフラ投資を拡大したことを受けて公共工事への投資は29.6%増、設備投資は56.0%減。民間投資については、建築進捗が正常に回復、一部の大型建設プロジェクトで投資の増があったことを受け、今年第1四半期から減少幅が縮小し、前年同期比9.7%減、設備投資は19.8%減に。

 全体的な需要の減退で貨物貿易のパフォーマンスは今年第1四半期に続いて精彩を欠いた。個人消費、投資、旅客消費がいずれも減少したことで、貨物輸入は29.6%減。貨物輸出は外需の鈍化により26.4%減。

 各国・地域による外遊管制の影響を受け、訪マカオ外客数(インバウンド)は減少が続き、第2四半期累計では前年同期比99.0%減に。これによってゲーミンングサービス輸出及びその他ツーリズムサービス輸出は97.1%、93.9%のそれぞれ減。居民の外遊減、さらにはその他の経済活動の収縮によって、サービス輸入も47.6%減となった。

新型コロナの影響でインバウンド旅客が激減したマカオ。写真は観光名所の世界遺産・セナド広場=2020年7月19日本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ政府統計・センサス局が4月26日に公表した資料によれば、今年(2024年)3月の総合消費者…
  2.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  3.  マカオ司法警察局は4月26日、前月(3月)コタイ地区の統合型リゾート(IR)併設カジノ場内にある…
  4.  澳門海關(マカオ税関)は4月26日、世界知的所有権機関(WIPO)が制定した「世界知的財産の日(…
  5.  マカオにとって最大の旅客ソースとなる中国本土では5月1日から5日までが5連休(「五・一」労働節ゴ…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  2.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  3.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  4.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun