マカオ、2020年1〜9月累計の犯罪件数が対前年33.1%減…コロナ禍インバウンド旅客数減で

 マカオ保安庁は11月26日、今年(2020年)1〜9月累計の犯罪統計及び法執行状況報告を公表。犯罪認知件数は前年同時期から33.1%の大幅減となる7092件にとどまった。

 マカオでは今年1月下旬以降、新型コロナウイルス感染症の流行を受けて防疫対策を講じており、中でも厳格な水際措置による影響でインバウンド旅客数が大幅に減少し、ゲーミング(カジノ)業界にも甚大な影響が生じた。保安庁では、9月下旬から中国本土におけるマカオ渡航許可(ビザに相当)の発給が全面的に再開されたものの、1〜9月の犯罪統計におけるゲーミング関連犯罪データは代表性に欠けるとし、今年第1四半期、上半期に続いて毎四半期恒例の「ゲーミング業のマカオの治安に対する影響」についての評価コメントの発表を見送った。

 マカオ保安庁では、マカオで犯罪件数が下落した背景には、新型コロナの流行と警察によるパトロール強化を維持していることを挙げ、マカオの総体的な治安情勢は良好との見方を示した。一方で、(往来制限が緩和された中国本土からの)インバウンド旅客を吸引する施策が講じられており、今後インバウンド旅客数が徐々に回復する可能性があり、マカオの治安状況に対する不確定要素をもたらすだろうとした。保安当局では、防疫任務に最善を尽くすと同時に、違法行為の拡大に対して細心の注意を払い、状況の変化が生じた際に適切に対処できる体制を整えるとのこと。

 目下、マカオ政府は新型コロナ防疫に重点を置いた取り組みを進めており、保安当局もこれに全面的に協力するとともに、高度警戒の維持、ITを活用した警察力強化、各方面との協力強化、治安状況のレビューと適時の配置調整によって、マカオ社会の安定確保に努めるとした。

マカオ保安部隊ビル(資料)=マカオ兵營斜巷(写真:マカオ保安庁長官事務所)

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