マカオ、全タクシーのスマート端末設置義務化スタート…初日は順調

 今年(2020年)12月3日午前からマカオのすべてのタクシーで「スマート端末」の運用がスタートした。

 スマート端末はGPSナビゲーションシステム、録音・録画装置、料金メーター、レシート印字用プリンター、通報装置等で構成され、今年8月から順次設置が進められてきた。

 スマート端末の設置は義務となり、未設置のタクシーは12月3日午前0時以降、営業ができなくなり、営業を行った場合は違法扱いとされる。

 タクシーの監察機関にあたるマカオ政府交通事務局と治安警察局は12月3日夕方、スマート端末設置義務化初日の午前0時から正午までの間、違反事案は発見されなかったと発表。システムの異常もなかったとのこと。

マカオ政府交通事務局と治安警察局によるタクシーに対するスマート端末設置確認のための車両検問の様子=2020年12月3日(写真:マカオ政府交通事務局/治安警察局)

 交通事務局によれば、3日正午時点でスマート端末設置済みのタクシー数は全体の約97%にあたる1738台とのこと。未設置のタクシー数は54台で、このうち10台については順次設置予定という。

 スマート端末には車内の録音・録画機能が付いているが、システムプライバシー保護のため、録データは監察職権を有する機関が行政違法行為の調査のため、必要があるという場合に限って利用されることが法律で規定されている。

 マカオのタクシーをめぐっては、近年、一部の悪質なタクシードライバーによるぼったくりや乗車拒否が大きな社会問題となっていた。昨年6月に罰金の大幅値上げや違反累積(5年内に4回)での免許取り消し制度の導入といった罰則の強化、タクシーの監察機関が政府DSAT単独から治安警察局を加えた体制とすることなどを盛り込んだ改正タクシー法が施行となって以降、違反摘発件数は激減。今年1〜9月累計では対前年96.9%減だった。

スマート端末設置済みタクシーであることを示すステッカー(写真:DSAT)

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