マカオ、高利貸に監禁されたと自作自演の中国人ギャンブラー逮捕…カジノの負けの穴埋め目的で妹に連絡、心配した妹が警察に通報して嘘が露見

 マカオ司法警察局は12月9日、高利貸に監禁されたと虚偽の被害をでっち上げ、家族に借金返済のため現金を用立てるよう要求したとして中国本土出身の自称販売員の男(35)を虚構犯罪及び詐欺未遂容疑で逮捕、送検したと発表。

 同局の発表によれば、同月7日午前1時25分頃、1人の女性から「兄が6日に高利貸から借金した5万香港ドル(日本円換算:約67万円)を返済できず、ホテルの客室に監禁されている」とする救助を求める内容の通報があったという。

 通報を受け、警察官がコタイ地区にあるホテルの客室へ向かったところ、1人の男が単独で室内に滞在していたとのこと。男は警察の調査に対し、6日にマカオ半島新口岸地区にあるカジノ施設で高利貸から借金をしたが、全てギャンブルで使い果たし、減災できなくなり、ここへ連れて来られ監禁されていたと説明。ただし、借金に関する資料を提供できず、説明が曖昧だったことから、自作自演の疑いが浮上した。

 警察が「天眼(スカイアイ)」と呼ばれる公共エリアの監視システムなどを使って男の足取りを確認したところ、男が高利貸から借金し、監禁されていたと説明した時間帯、男はカジノ施設内で単独でギャンブルに興じていたことが発覚。男に再度説明を求めたところ、ギャンブルで5万香港ドル負けてしまい、嘘の被害をでっち上げることで妹から負けた分の金を受け取ろうとしたと自作自演を認めたという。

 マカオでは、これまでにもしばしばカジノの負けを家族らに隠蔽するといった目的の狂言事案が報告されている。

マカオ司法警察局(資料)—本紙撮影

マカオ司法警察局(資料)—本紙撮影

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