マカオ行政長官が新型コロナワクチン率先して接種受ける意向「市民の安心感が高まる」

 マカオ政府は世界各地の製薬会社との間で新型コロナワクチンの購買に関する交渉を進めている。

 マカオ政府新型コロナウイルス対策センターの発表によれば、中国医薬集団(シノファーム)の不活化ワクチン40万本(生産地:中国・北京)と復星医薬が代理となるドイツ・ビオンテックのmRNAワクチン40万本(生産地:ドイツ、フランス、ベルギーのいずれか)のうち第1便が2021年第1四半期に、英国アストラゼネカのアデノウイルスベクターワクチン40万本(生産地:米国)の第1便が同第2四半期にそれぞれマカオに到着する予定。

 マカオ特別行政区の首長、賀一誠(ホー・ヤッシン)行政長官は12月20日に開催されたマカオ返還21周年記念レセプション会場で囲み取材に応じた際、新型コロナワクチンについて、自身及び政府高官が率先して接種を受けることで市民の安心感が高まるだろうとコメント。

 また、第1便で到着するワクチンの本数は多くないため、防疫対策の前線での任務に従事する医療スタッフへの接種を優先するが、あくまで希望制とし、複数のワクチンの中から自由に選択できることを強調した。

 ワクチン接種を実施するにあたってのコストについては、1人あたり2回の接種が必要になる前提の計算で少なくとも500マカオパタカ(日本円換算:約6400円)を見込んでいるとした。公立総合病院の仁伯爵綜合醫院(通称:山頂醫院)にワクチンを零下70℃で保管できる設備も整っているとのこと。

マカオ返還21周年記念レセプション会場で囲み取材に応じる賀一誠マカオ行政長官=2020年12月20日(写真:GCS)

 マカオ政府はかねてより全市民分の新型コロナワクチンを購入することを決めており、接種費用はマカオ居民(マカオ居民IDカード保有者)が無料、その他については現時点で未定としている。マカオの人口は約70万人。

 目下、マカオ域内における新型コロナの流行状況は落ち着いており、すでに新規感染確認は5ヶ月以上、輸入関連性症例に限ると実に8ヶ月以上連続でゼロが続く。これまでの累計感染確認者数は46人で、7月17日までに全員が退院済み。市中感染、院内感染例とも確認されておらず、死亡例ゼロも達成している。

 マカオがコロナ封じ込めに成功した理由のひとつとして、早い段階から厳格な水際措置を講じて外からの流入を防いできたことが挙げられる。一方で、インバウンド依存度の高い観光都市であることから、経済的な打撃も大きい。

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