マカオ、1月下旬に世界各地から成田経由で帰郷の121人が3週間の隔離検疫期間満了

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が世界各地へ拡大し、終息の兆しが見えない中、国際観光都市マカオでも状況の変化に応じた各種防疫対策が講じられている。

 目下、ボーダーを跨ぐ人の移動が大きく制限される中、海外に滞在するマカオ人の帰郷手段も限られ、現時点では成田経由のマカオ航空利用が唯一の選択肢となっている。

 先月(1月)21日、帰郷を希望する在外マカオ居民(マカオ居民IDカード保有者)109人が世界各地から経由地の成田国際空港へ集まり、同空港発のマカオ航空NX861便とNX867便に分乗してマカオ国際空港へ到着した。

 帰郷者のうち、マカオ到着後すぐの検査で新型コロナの感染が確認されたのはドバイ滞在歴のある女性1人のみだった(ドバイからシンガポール経由で成田へ向かうルート)。その他の帰郷者108人と運航を担当したマカオ航空のクルー16人全員はいずれも陰性で、21日間の隔離検疫を受けるため政府指定場所(密接接触者の8人は医療機関、他は指定ホテル)へ移動した。

 その後、2月5日に隔離検疫中だったポルトガル滞在歴のある男性1人(リスボンからアムステルダム経由で成田へ向かうルート)の感染確認があった。このほか、血清抗体検査で弱陽性反応が確認された1人(スイス滞在歴あり)が、反復検査待ちとなっている。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは2月11日夜、(上記の3人を除いて)帰郷者とマカオ航空のクルー121人が21日間の隔離検疫期間を満了したと発表。これまで4回の核酸検査、2回の血清抗体検査を受け、いずれも陰性だったとのこと。また、健康状態も良好で、何ら症状も見受けれらないとした。

 121人は隔離検疫期間満了も7日間が自己健康管理期間となる。自己健康管理期間満了予定日の1日前に新型コロナウイルス核酸検査を受け、その結果が陰性であれば自己健康管理措置が解かれるという。自己健康管理中は厳格な個人防疫措置を講じることが求められる。

 マカオでは、輸入性及び輸入関連性事例を除き、市中における感染確認に関しては2月11日まで319日連続ゼロ。すでに中国本土との往来制限の緩和が進み、中国本土からのインバウンド旅客が戻りつつある中でも長期にわたって市中感染ゼロを維持できていることから、域内、周辺地域、世界の流行状況に応じて迅速に防疫措置の内容を調整する方策が機能しているといえる。2月9日からは香港より先に新型コロナウイルスワクチン接種がスタートしている。参考までに、マカオの人口は約68万人、面積は東京の山手線のおよそ半分にあたる約30平方キロメートル。

マカオ国際空港に到着した成田発NX867便から降機し、新型コロナウイルス検査場へ向かう搭乗者=2021年1月21日(写真:GCS)

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