香港・マカオ両政府が独ビオンテック製新型コロナワクチンの早期接種再開目指す考え…キャップ部に瑕疵も安全性リスクなし

 香港とマカオで使用されているドイツ・ビオンテック製のmRNAワクチン「Comirnaty」のキャップ部に瑕疵があったとして両地では3月24日から同ワクチンの接種が一時中止となっている。

 香港・マカオ両政府は3月27日夜、それぞれ供給元から初期調査結果を受け取ったとして、プレスリリースを発出。製造元によるパッケージング工程での包装不良につながる問題は見つからなかったが、長距離輸送中の環境要因によって生じたものである可能性は排除できないとのこと。また、安全性リスクの存在は確認されず、すでに同ワクチンを接種済みの市民に対して心配無用とした。

 目下、供給元が調査を継続しており、今後1週間以内に最終的な調査結果が出る見込みとのこと。両政府とも早期の接種再開を目指す考えを示した。

マカオへ到着した独ビオンテック製のmRNAワクチン「Comirnaty」の第一便=2021年2月27日、仁伯爵綜合醫院(写真:GCS)

 マカオでは、2月9日から新型コロナワクチンの接種がスタート。すでに接種対象は全マカオ居民(マカオ居民IDカード保有者)及びマカオで就労する海外労働者、マカオの学校に通う非居民の学生らへも拡大されている。

 マカオで使われているワクチンは中国医薬集団(シノファーム)製の不活化ワクチンとドイツ・ビオンテック製のmRNAワクチン「Comirnaty」(中国の復星医薬が代理となる)の2種。接種希望者は2つのワクチンの中から自由に選択することができる。

 マカオ政府新型コロナウイルス対策センターが3月27日夜に発表した資料によれば、同日午後4時までに接種予約を済ませた人は延べ8万5141人おり、このうちすでに接種を受けた人は4万4908人とのこと。マカオの人口は約69.3万人。

 なお、マカオではワクチン接種は希望者のみを対象としている。費用はマカオ居民、マカオで就労する海外労働者、マカオの学校に通う学生は無償、その他は1回あたり250マカオパタカ(日本円換算:約3400円)となる。政府はポルトガル系のフィデリダーデ・マカオ社と不良副反応・副作用に関する保険契約も締結済みで、保障期間は接種後90日間、補償額は1人あたり最大100万マカオパタカ(約1360万円)とのこと。

 ここまでのマカオにおける新型コロナの感染確認数は累計48人。内訳は域外からの輸入性が46人、輸入関連性事案が2人。市中感染例は3月27日まで363日連続ゼロを維持しており、封じ込めに成功している状況。院内感染、死亡例についてもゼロ。

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