マカオ政府統計調査局は5月25日、今年第1四半期（2021年1〜3月期）の小売業販売額調査結果を公表。

　マカオでは昨年1月下旬から新型コロナウイルス感染症防疫対策の一環として厳格な入境制限が講じられた結果、インバウンド旅客数が激減。インバウンド依存度が高い国際観光都市とあって、経済は大打撃を受けている。ただし、マカオと中国本土における状況が落ち着いたことを受け、同年7月中旬から両地の間の往来制限が段階的に緩和されたことを受け、中国本土からのインバウンド旅客が徐々に戻り始めており、小売市場についても昨年第3四半期から回復傾向が続いている。

　今年第1四半期の小売業販売総額は前年同期から68.0%増の187.5億マカオパタカ（日本円換算：約2550億円）、価格要素を除いた販売量指数についても76.4%の上昇に。

　前年同時期の小売業販売額の比較では、通信設備が182.4%、時計・ジュエリーが123.4%のそれぞれ大幅増だった一方、スーパーマーケットは17.9%減だった。販売量指数についても同様で、通信設備が203.7%、革製品が152.1%、時計・ジュエリーが114.2%のそれぞれ上昇だったが、スーパーマーケットは17.0%の下落だった。

　また、昨年第4四半期（修正後数値）との比較における今年第1四半期の小売販売額は3.1%増。このうち、通信設備が45.8%の顕著な増だったが、自動車は16.4%、成人ファッションは5.2%のそれぞれ下落。販売量指数は4.2%上昇。このうち、通信設備が47.7上昇%、自動車、自動車用燃料が15.8%、5.7%のそれぞれ下落。

　今年第2四半期の販売量の見通しについて、調査対象となった小売店の43.4%が前年同期と変わらず、41.6%が減少見込み、15.0%が増加見込みと回答。また、商品の販売価格については58.7%が維持、30.2%が下落、11.1%が上昇見込みとした。このほか、今年第1四半期と比較した今年第2四半期の経営状況見込みについては、45.7%が悪化、36.7%が安定継続、17.6%が理想的との見通しを示した。

インバウンド旅客の姿目立つようになったマカオの観光名所周辺（資料）＝2021年3月14日、タイパヴィレッジ「官也街」にて本紙撮影