マカオ、カジノディーラーが客に扮した仲間と組み不正繰り返す…被害額は半月で約3千万円

 マカオ司法警察局は6月16日、不正行為によりカジノ運営企業に多額の損失を与えたとして、コタイ地区にあるIR(統合型リゾート)併設のカジノに勤務するマカオ人のカジノディーラー職の女(36)と中国本土出身のいずれも無職の女3人(32〜44)の計4人を業務上横領罪などの罪で逮捕、検察院送致したと発表。

 被疑者らは逃亡中の女1人を含む5人で犯罪グループを形成しており、目下、首謀者及び逃亡中の女1人の行方を追っているとした。

 警察発表によれば、6月9日にカジノ運営会社側から不正行為に関する通報が寄せられたという。内容は「5月28日に監視部門のスタッフが1人のディーラーが当初の勤務終了予定時間より早く持ち場を離れたことを不審に思い行動を追跡したところ、カジノ施設付近の路上で2人のギャンブラーと接触していたことが判明。これを疑わしい行動とみて、より詳しい調査を進める中で、このディーラーが5月28日から6月2日までの勤務中、担当するテーブルに客とスタッフが不在のタイミングに誰もベットしていない状況にも関わらずゲームをスタートし、ゲーム結果が判明した時点で仲間と見られる女が配当の出る位置にチップを置き、1回あたり6〜15万香港ドル(日本円換算:約82〜206万円)の配当を出していたことが確認された」というもの。

 カジノ運営会社からの通報を受け、警察が捜査に着手し、まもなく被疑者らの身元を特定。客に扮した女のうち3人が6月2日に中国本土へ逃亡したが、14日までに2人が再度マカオ入りし、マカオにいた仲間1人と合流したことがわかったという。14日午後11時頃、ディーラー職の女と客人扮した女3人が同様の手口で不正行為を行った際、張り込み中だった警察官が現場へ踏み込み、4人を現行犯逮捕したとのこと。

 このグループは5月28日から6月14日にかけて計18回にわたって犯行を重ねており、カジノ運営会社の初歩計算による損失額は218万香港ドル(約2988万円)に上るという。

 なお、ディーラー職の女と客に扮した仲間の女のうち2人は警察の調べに対して黙秘しているが、1人が逃亡中に主犯格の人物に指示されたもので、、5月中旬に広東省珠海市で犯行手順、各人の役割分担、取り分に関する会議があったなどと供述しているとのこと。警察がディーラー職の女の自宅を捜索したところ、犯罪を通じて得たとみられる6万香港ドル(約82万円)の現金が見つかったという。このディーラーは勤続1年余りだったという。

カジノフロアの監視システムのイメージ(資料)=マカオ理工学院ゲーミングティーチング&リサーチセンターの模擬カジノ施設にて-本紙撮影

カジノフロアの監視システムのイメージ(資料)=マカオ理工学院ゲーミングティーチング&リサーチセンターの模擬カジノ施設にて-本紙撮影

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