中国本土の新型コロナ再流行が7省約20都市に拡大…マカオでも水際措置強化

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功したが、以降も局地的な再流行が相次ぎ出現している。

 直近では、雲南省のミャンマー国境付近での市中感染確認が続くほか、7月下旬には江蘇省南京市の南京空港でクラスターの出現、さらには湖南省張家界市滞在歴のある人の間で感染確認が相次いでいるといった状況。目下、再流行は7省の約20都市に拡大しており、各地で防疫措置の引き締めが進んでいる。

 中国の国家衛生健康委員会が31日に公表した内容によれば、30日の中国本土における新規市中感染確認は30人で、内訳は江蘇省が19人、湖南省が6人、重慶市が2人、遼寧省、福建省、四川省が各1人。無症状は湖南省で10人、福建省で2人の計12人。

 30日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数(輸入性含む)は971人で、うち26人が重症。無症状の患者423人が医学観察下にあるという。

 広東省と陸で接するマカオでは、新型コロナの市中感染例は488日以上にわたってゼロを維持しており、封じ込めに成功している状況。

 流行初期から現在まで、外地からの新型コロナ流入防止を目的とした厳格な入境制限は維持されているが、中国本土でも概ね状況が落ち着いたことを受けて、昨年7月中旬以降、両地間の往来制限が段階的に緩和された。同年9月下旬までに中国全土で訪マカオ許可(観光ビザに相当)の申請・発給が再開され、一部の「中リスク地域」を除き、新型コロナウイルス核酸検査陰性証明取得などの条件を満たせば隔離検疫なしでの往来が可能となっている。中国本土との往来制限緩和後もマカオでは市中感染ゼロを維持できており、各種防疫対策が機能しているといえる。

 中リスク地域の指定は市中感染例の出現状況に応じて随時アップデートされ、マカオ入境前14日内に滞在歴がある場合、マカオ到着後、政府指定場所(ホテル)で14日間の医学観察(強制隔離検疫)を受けることが必須で、さらに隔離検疫満了後も14日間の自己健康管理期間として個人防疫対策を講じることが求められる。

 7月下旬以降、中国本土各地における再流行を受けて、中リスク地域指定が増えている。地域指定は社区と呼ばれる基礎行政区画など比較的細かく設定される。

 マカオ政府が設定した7月31日午前0時時点(現地時間)の中リスク地域は下記の通り。

■雲南省:徳宏タイ族チンポー族自治州瑞麗市/隴川県
■江蘇省:宿遷市泗陽県衆興街道西湖社区/南京市/揚州市カン江区双橋街道(7/25以降)
■遼寧省:瀋陽市大東区津橋街道栄楽社区/大連市甘井子区泉水街道(7/25以降)
■四川省:綿陽市フ城区呉家鎮恵科路1号廠区/成都市青羊区光華街道及び高新区石羊街道(7/25以降)/宜賓市南渓区南渓街道(7/25以降)
■湖南省:張家界市(7/17以降)/常徳市(7/25以降)/株洲市雲龍示範区学林街道(7/25以降)
■広東省:珠海市(7月25日に珠海市で出現した患者と行動歴が重なる場合に限り)
■福建省:アモイ市思明区蓮前街道(7/25以降)
■重慶市:江津区双福街道(7/24以降)

 このほか、マカオでは31日午前0時以降、中国本土からの空路での入境者に対し、出発時間から48時間以内の新型コロナPCR検査陰性証明の提示を求める措置を講じている。

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

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