香港、新型コロナ市中感染確認53日連続ゼロ…輸入性は2人、いずれもワクチン2回接種済みで変異株感染=7/30

 人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、5月にかけてようやく状況が落ち着き、政府が5月29日に終息との見方を示した。

 6月以降は、上旬に1家族の女性3人の市中感染例、24日と27日にかけて空港での業務に従事する男性1人とその密接接触者の1人、7月2日には検疫用ホテルの清掃作業員の女性1人、11日に空港での業務に従事する男性1人の輸入関連性感染確認例(いずれも当初市中感染例からの変更)があった。

 香港政府の発表によれば、7月30日午前0時時点集計の単日(29日)の新規感染確認数は2人で、いずれも輸入性(海外からの入境者)とのこと。市中感染確認例は53日連続ゼロとなった。

 輸入性の患者はスイスと米国からの入境者で、2人とも香港で新型コロナワクチン「Comirnaty」(日本でファイザーと呼ばれているもの)を2回接種済みで、L452変異株に感染していた。

 翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)は5人以下という。

 香港における過去14日間(7月16日〜29日)累計の新規感染確認は27人で、全て輸入性事案。ここまでの累計感染確認数は1万1985人(擬似事案1人含む)。

 香港の7月29日午後8時時点のワクチン接種率は46.5%(1回目の接種完了)、34.7%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は552万7860回、1日あたり接種回数は6万2947回(7日移動平均値6万4157回)。9月末までに免疫の壁を構築するのに必要とされる接種率7割を突破できる見通し。

 香港政府はマカオ及び中国本土との間で往来制限緩和(隔離制限免除での往来)の実現に関する協議を進めているとしているが、これまでのところ具体的なスケジュール等に関する詳細は明らかにされていない。香港政府商務・経済発展局局長の邱騰華(エドワード・ヤウ)局長は30日、香港ではすでに50日超にわたって市中感染確認例がなく、ウイルステストと感染者の追跡は以前と比較して厳格かつ有効性が高いものとなり、ワクチン接種率も4割超に達したことなどを挙げ、往来制限緩和の条件は整いつつあるとの見方を示した。

 このほか、香港衛生当局は、7月7日に日本航空26便で香港から日本へ向かった45歳の男性が日本到着後の19日に症状が出現し、20日に感染確認された事案があったことを明らかにした。香港出発前に受けた3回の検査と日本到着当日に受けた検査はいずれも陰性だったという。また、21日にキャセイパシフィック航空CX251便で香港からロンドンへ向かった48歳の男性が現地で23日に受けた検査で陽性となったことも分かったという。こちらの男性は無症状。2人は潜伏期間中に香港滞在歴があることから、香港の住居及び職場周辺が強制ウイルス検査の対象とされた。

香港国際空港(資料)-本紙撮影

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