マカオ、2021年4〜6月期の総体失業率2.9%…前回調査から0.1pt良化=月給中位数は前四半期から1.3%増

 マカオ政府統計調査局は6月30日、2021年4月〜6月期(第2四半期)の雇用統計を公表。総体失業率は前回調査(2021年3〜5月期)から0.1ポイント(pt)下落の2.9%となり、3ヶ月ぶりに2%台を回復した。

 マカオ居民(マカオ居民IDカード保有者)に限った失業率についても0.2pt下落の3.9%。不完全雇用率は0.7pt下落の3.5%。

 2021年4〜6月期のマカオ居住の労働人口は37.70万人、労働参加率は68.3%。就業人口は前回調査から2800人減の37.59万人。マカオ居民に限ると2200人減の27.64万人。

 失業人口は前回調査時から800人減の1.11万人。求職中の失業者のうち直前までカジノ・カジノ仲介業、建設業に従事していた人の数が多かった。このほか、初めて職探しをする新増労働力の占める割合は1.0pt上昇の7.5%。

 不完全就業者数は2700人減の1.36万人。業界別ではカジノ・カジノ仲介業と運輸・倉庫業従事者の占める割合が大きかった。

 就業調査の統計対象はマカオ半島、タイパ・コロアン島にある住宅の居住者(学生寮や高齢者入所施設等のグループホームを除く)で、域外からマカオへ越境通勤するマカオ居民及び海外労働者は含まれない。出入境資料を元にマカオ居民及び海外労働者の越境通勤者数は約8.43万人と推計され、これを含むマカオの総労働力は前回調査から2900人減の47.13万人。

 今年第1四半期(1〜3月)との比較では、失業率(2.9%)が横ばい、マカオ居民に限った失業率が0.1pt下落。就業人数は9000人減、マカオ居民に限ると5000人減。業界別では、建設業(3.08万人)が3400人減、ホールセール・リテール業(4.27万人)が1100人減。

 今年第2四半期の就業人口の月給中位数は前の四半期から1.3%増の1万5500マカオパタカ(日本円換算:約21.2万円)、マカオ居民に限ると横ばいの2万マカオパタカ(約27.4万円)。業界別では、カジノ・カジノ仲介業が1万9800マカオパタカ(約27.1万円)、建設業が1万5000マカオパタカ(約20.5万円)。

 マカオで雇用の調整弁となっているのは海外労働者で、コロナ禍で厳しい経済情勢の中、マカオ政府労工局(DSAL)はマカオ居民の雇用の継続と優先就業を確保するため海外労働者数の調整を行っていることを明らかにしている。DSALが30日に発表した資料によれば、今年1〜7月に同局のサポートにより就職に成功した市民が約2400人いるとのこと。

DSALと統合型リゾート運営会社が合同開催したジョブフェアの様子(写真:DSAL)

関連記事

最近の記事

  1.  マカオは長く本格的な鉄道が存在しなかったが、2019年12月に新交通システム「マカオLRT」タイ…
  2.  リード・エグジビションズ社は9月26日、アジアにおけるゲーミング(カジノ)・エンターテインメント…
  3.  マカオ治安警察局は9月25日、ドリンクを購入する際に高額紙幣を出し、店員を急かして混乱させる手口…
  4.  マカオで統合型リゾート(IR)などを運営するSJMリゾーツは9月25日、台湾のIam Creat…
  5.  イタリアの老舗ラグジュアリージュエリーブランドとして世界的に知られる「ブチェラッティ(Bucce…

ピックアップ記事

  1.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  2.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ」内に9月8日、新ホテル「W…
  3.  マカオの統合型リゾート(IR)運営大手のギャラクシー・エンターテインメント・グループ(GEG)は…
  4.  香港とマカオの間をおよそ1時間で結ぶ高速船「ターボジェット」及び「コタイウォータージェット」を運…
  5.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2023年10月号
(vol.124)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun